SamsungのOne UI 8.5で、純正カメラアプリの動画モードからプリセットフィルターが消えたと報じられました。最大のポイントは、開発中のOne UI 9初期ベータビルドでも動画フィルターが見当たらない点で、Android Policeはこれをバグではなく意図的な仕様削除の可能性が高いと指摘しています。撮影前にフィルターを当てて録画する従来のワークフローは失われ、フィルター付き動画が欲しいユーザーは写真モードのシャッター長押しという回避策か、サードパーティアプリでの後処理に頼ることになります。

One UI 9ベータでも復活せず——意図的削除の濃厚な根拠

今回の件で最も重い事実は、次期メジャーアップデートにあたるOne UI 9の初期ベータビルドでも動画フィルターが確認できていない点です。Android Policeはこれを根拠に、One UI 8.5での動画フィルター消失はバグや一時的な不具合ではなく、Samsungによる意図的な仕様削除である可能性が高いと述べています。

裏を返せば、次のメジャーバージョンへのアップデートを待っても自動的に機能が戻ってくる流れにはなりにくく、Samsungが方針を覆さない限り、動画モードからフィルターを直接当てる体験は今後も戻らない可能性があります。動画でフィルターを多用してきたユーザーにとっては、撮影前の一手間で済んでいた作業が、サードパーティアプリでの後処理へと置き換わる構図です。

動画モードでフィルター選択肢が一律消滅——写真モードは従来どおり

Samsung純正のカメラアプリでは、これまで写真・動画のどちらでもプリセットフィルターを選んでから撮影でき、後処理なしでフィルターをかけた素材をそのまま得られました。One UI 8.5以降は写真モードの挙動は変わらない一方、動画モードではフィルターの選択肢自体が表示されなくなっています。

最初に異変を指摘したのはRedditとTikTokの一般ユーザーで、その後にPiunikaWebが取り上げ、Android Policeが追随する形で報じられました。Android Policeに引用されたユーザーコメントには、次のような声が含まれています。

「あらゆる設定を確認したが存在しない。UHDでもFHDでも同じで、写真モードにしかない」 「白黒で動画を撮ることがあったのに、もうできなくなった」

解像度プリセットの違いに関係なく、動画側のフィルター項目が一律で消えていることが示唆されています。

写真モード長押しが唯一の純正内回避策

完全な代替にはなりませんが、Android Policeは1つのワークアラウンドを紹介しています。動画モードに入る代わりに写真モードを開き、使いたいフィルターを選んだうえでシャッターボタンを長押しすると、静止画ではなく動画として記録される、というものです。

  • 動画モード → フィルター選択肢は表示されない
  • 写真モード → フィルターは従来どおり選択可能
  • 写真モードでシャッターを長押し → 動画として録画

純正アプリの設計上の挙動を利用した手順で、追加のアプリやモード切り替えなしでフィルター付き動画を撮りたいユーザーには現実的な代替策となります。一方、本来の動画モードで使える詳細な録画設定(解像度・コーデック・スタビライズ等の細かな調整)がそのまま使えるかどうかについては、報じられていません。

ユーザーの取るべき構え——回避策は暫定、本格撮影は別アプリも検討

Samsung側から削除理由についての公式説明は確認されていません。動画モードでフィルターを多用していたユーザーにとっては、撮影前の設定で済んでいた作業が、サードパーティアプリでの後処理に置き換わる可能性があります。

One UI 8.5へアップデート済みのGalaxyユーザーが押さえておきたいのは、「動画モードからフィルターは消えたが、写真モード長押しで代用できる」という事実関係です。Samsungが方針を見直すかどうかは、今後のフィードバック次第と見られます。

写真モード側はフィルター強化が進行——カメラアプリ全体の再設計と矛盾しない動き

動画モードからフィルターが姿を消した一方で、写真モード側ではフィルター資産が拡張されています。One UI 8.5ベータで、Galaxy S25およびS24シリーズ向けに「Classic Film」「Pop Film」「Blanc」という3つの新カメラフィルターが追加されました。これらはもともとGalaxy S26シリーズで先行提供されていたもので、ベータを通じて旧世代フラッグシップへと展開された形です。

カメラアプリ自体のUI再設計も同時並行で進んでいます。

  • 夜景モードは写真モード内に、Dual Recordingは動画モード内にそれぞれ統合され、各モード内のトグルとして表示される形になりました
  • これにより、モード一覧を横スワイプして手動選択する手間が不要になっています

写真フィルターを増やし、頻用モードはトグル化して埋め込む——という流れの中で、動画モードのフィルター棚卸しが行われたと整理できます。なおOne UI 8.5の安定版は2026年5月6日に韓国で先行開始され、5月11日からグローバル展開へと進んでいます。

One UI 9ベータが正式始動——安定版は7月のUnpackedで投入濃厚

動画フィルターの復活可否を左右する次期OSの動きも具体化しています。Samsungは2026年5月12日にOne UI 9ベータプログラムを発表し、Android 17ベースの最新ビルドをGalaxy S26シリーズ向けに展開する方針を公表しました。対応国と申込導線は次のとおりです。

項目内容
ベースAndroid 17
発表日2026年5月12日
対象機種Galaxy S26シリーズ
対応国米国、英国、ドイツ、韓国、ポーランド、インドの6か国
申込方法Samsung Membersアプリ
安定版Galaxy Z Fold 8/Z Flip 8と共に2026年7月22日のUnpackedで投入見込み

ただし初期ビルドは安定とは言えず、Galaxy S26のOne UI 9ベータではモバイルデータ不通やバッテリードレインが報告され、米国向けにはホットフィックスが配信済みです。動画フィルターの行方を確かめるなら、Z Fold 8/Z Flip 8発表に合わせた安定版での挙動確認が現実的な判断材料となります。

Q&A

Q. One UI 8.5にアップデートすると、写真のフィルターも使えなくなりますか? いいえ。写真モードでのフィルター選択・適用は従来どおり利用できます。今回消えたのは動画モードからのフィルター選択肢のみです。

Q. 動画モードのフィルターは、今後のアップデートで戻ってきますか? 現時点では未定です。Android Policeは、開発中のOne UI 9初期ベータでも動画フィルターが確認できないことから、意図的な削除である可能性が高いと指摘しています。Samsungからの公式な説明は出ていません。

Q. 回避策で撮った動画は、本来の動画モードと同じ画質になりますか? 写真モードでシャッターを長押しすると動画として記録されますが、本来の動画モードで指定できる詳細な録画設定がどこまで反映されるかについては、報じられていません。解像度・コーデック・スタビライズ等を厳密に管理したい用途では、長押し回避策はあくまで暫定的な手段と捉え、フィルターを後がけできるサードパーティのカメラアプリや動画編集アプリを併用する判断が現実的です。

出典