非対応のはずの旧型iPad Proに、一瞬だけ最新OSがインストール可能に見えた——AppleがiPadOS 27 beta 1の開発者向けダウンロードページに、本来は互換性リストに含まれない旧型iPad Proのリストアイメージ(IPSW)を一時的に掲載していたことが明らかになりました。9to5Macによると、その後Appleは公式の互換性リストを変更しないまま、ダウンロードリンクのみを静かに削除しています。

公式互換リストに含まれない機種がDeveloperサイトに掲載

Appleが発表したiPadOS 27の対応機種は次の通りです。

  • iPad Pro(M4以降)
  • iPad Pro 12.9インチ(第4世代以降)
  • iPad Pro 11インチ(第2世代以降)
  • iPad Air 13インチ(M2以降)
  • iPad Air 11インチ(M2・M3・M4)
  • iPad Air 11インチ(第4世代以降)
  • iPad(A16)
  • iPad(第9世代以降)
  • iPad mini(A17 Pro)
  • iPad mini(第6世代)

ところがAppleのDeveloperサイトには、「11インチiPad Pro(第1・第2世代)、12.9インチiPad Pro(第3・第4世代)」と記載されたリストアイメージへのリンクが置かれていました。このうち11インチiPad Pro 第1世代と12.9インチiPad Pro 第3世代は、公式の互換性リストには含まれていません。ファイル名自体も、これら非対応モデルを参照する内容になっていたと報じられています。

12.9インチ第3世代へのインストールは失敗

9to5Macは、このリンクが誤掲載なのか、それともwatchOS 27とApple Watch Series 9のケースのように公式互換リストが未完全だったのかをAppleに問い合わせました。watchOS 27のときは、対応外とされた端末にユーザーが実際にインストールできたという報告が相次いだ経緯があります。

同メディアが12.9インチiPad Pro(第3世代)にIPSWのインストールを試したところ、インストールは失敗したとされています。Appleからの回答はないまま、Developerサイトからリストアイメージのリンクは削除され、公式の互換性リストは変更されないままになりました。

なぜ非対応機種のリンクが置かれたのか

こうした経緯から、9to5Macは今回のケースをApple Watch Series 9のような「実は動く端末が外されていた状況」ではなく、単純な見落としに見えると伝えています。考えられる理由の一つとして、これらのiPad Pro機種は過去のiPadOSリリースでは同じグループとして扱われており、その分類が今回も誤って引き継がれた可能性があると指摘されています(情報提供:Willian Max氏)。

公開情報の範囲では、11インチiPad Pro(第1世代)および12.9インチiPad Pro(第3世代)でiPadOS 27が正式に提供されるかどうかは、現時点で明らかにされていません。続報を待ちましょう。

iPadOS 27本体に搭載される主な新機能

リストアイメージの誤掲載とは別に、iPadOS 27本体ではユーザー体験を底上げする更新が複数発表されています。

  • Liquid Glassのカスタマイズ: 透明度を完全クリアから完全な着色まで連続的に調整できるシステム全体のスライダーが追加され、屈折の均一性とコントラストも見直されています
  • 大幅な速度向上: ファイル閲覧や外部ドライブへの転送は最大5倍速くなり、アプリ起動やAirDrop、キーボード読み込みなど日常操作も体感的に高速化しています
  • 生産性まわりの追加機能: Calendarの自然言語イベント作成、MapsのFlyover強化、Photosの新しいスライドショー作成ツール、Time Allowanceと呼ばれる保護者管理機能などが盛り込まれています
  • Apple Intelligenceの拡張: 一部の高度なオンデバイス機能はM4以降かつ12GB以上の統合メモリ搭載モデルでのみ動作するとされています

これらは公式に互換性が認められた機種を前提に提供されるため、対応機種の線引きは引き続き重要な意味を持っています。

開発者向けベータの提供チャネルと今後のスケジュール

IPSWを取り巻く配布の枠組みも整理しておく価値があります。Appleは2026年6月8日のWWDC基調講演直後に開発者向けベータの提供を開始し、パブリックベータを7月に、正式版を秋に予定しています。

2023年6月以降、Developer BetaおよびPublic BetaのIPSWファイルはApple IDのみで無料で取得できるようになっており、年額99ドルのApple Developer Programへの加入はApp Storeでの公開時にのみ必要とされています。

つまり今回のように対象外モデル向けのリンクが置かれた場合でも、Apple IDさえあれば多くのユーザーがダウンロード自体には到達できる状態でした。さらにiPadOS 27ではiPad Air 3、iPad 8以前、iPad mini 5以前などもサポート対象から外れており、今回話題となった11インチiPad Pro(第1世代)と12.9インチiPad Pro(第3世代)以外にも、複数世代のiPadが今回のメジャーアップデートで区切りを迎えています。

Q&A

Q. 11インチiPad Pro(第1世代)と12.9インチiPad Pro(第3世代)にiPadOS 27をインストールできますか? 現時点ではできません。9to5Macが12.9インチiPad Pro(第3世代)でIPSWのインストールを試みたところ失敗しており、Appleも公式の互換性リストを変更しないままダウンロードリンクを削除しました。

Q. 該当iPad Proユーザーは今どう動けばよいですか? Appleの公式な互換性リストは変更されていないため、Developerサイトのリンクも既に削除されている状況です。引き続き既存のiPadOSを利用しながら、Appleからの正式な続報を待つ形になります。

出典