9to5MacがM4 iPad Proで実機検証し、iPadOS 27で「特に試す価値が高い」と評価した5つの機能を公開しました。前年のiPadOS 26ほど派手さはないものの、細部の磨き込みでiPadがよりスマートかつ高速になり、「これまでで最良のiPadOS」と位置付けられています。日常の使い勝手を直接変える具体的なポイントを順に見ていきます。

① Magic Keyboard着脱がオートメーションのトリガーに——“持ち方が変われば作業も切り替わる”

最初の目玉は、iPadをMagic Keyboardに装着・取り外しする動作そのものを、Shortcutsアプリのオートメーション起動条件として使えるようになった点です。設定はShortcuts → 新規ショートカット → オートメーション → キーボード項目で、接続時か切断時かを選ぶだけで完了します。

9to5Macの記者は、装着時にYouTubeを左、Safariを右にウインドウモードで開き、取り外し時には全アプリを閉じてホーム画面に戻し、ウインドウモードもオフにする運用を紹介しています。発動はおよそ1秒で、物理的な接続変化をワークフロー切替の起点にできるのはiPadならではの発想です。

② 自然言語でショートカットを作れる——“ハードルが消えた”

これまで複雑な作成画面が壁となり敬遠されがちだったShortcutsが、自然言語プロンプトでの作成に対応しました。たとえば「iPadをMagic Keyboardに置いたらウインドウモードをオンにしてYouTubeとSafariを左右に開いて」と入力するだけで、対応するショートカットが自動生成されます。

Make a shortcut that, when I place my iPad on my Magic Keyboard, turns on windowed mode and opens YouTube and Safari side by side.

生成後は内部のステップも確認できるため、仕組みを学びながら使える設計です。9to5Macの記者は、妻に毎日正午にメッセージを送る簡単なものから、オフィスでの動作をトリガーにしたシーン自動化まで複数を作成したと紹介しています。新規作成時のデフォルト入力方式が自然言語に切り替わっており、Appleとしてもこの方式の利用を強く後押ししていると読めます。

③ Safariのスマートタブ整理——15個以上のタブが自動で片づく

Safariには、開いているタブをトピック別に自動分類する機能が追加されました。Tab Overview → 三点メニュー → Organize tabs → Automatically create topicsの順で有効化でき、SiriAIが関連サイトをグループ化します。9to5Macの記者は9to5Mac関連・旅行リサーチ・Sonyカメラのトラブルシュート等、混在しがちなタブを整理できたと述べており、常時15以上のタブを開く利用者にとっては雑然としがちな領域を整理できる実用機能です。

④ ウインドウ切替もメニューバーも全部速い——Macに最も近づいたiPadOS

派手な単独機能ではないものの、積み重ねで体験を大きく変えるのが操作性の改善群です。挙げられているのは次の通りです。

  • ウインドウ切り替えの高速化
  • ウインドウクローズの高速化
  • メニューバー呼び出しの高速化
  • メニューバーを常時表示するオプション
  • 外部ディスプレイでのControl Center対応
  • ファイル転送・ブラウジングの高速化
  • 全体的なレスポンス改善

単体では地味でも、ウインドウ操作・メニュー呼び出し・ファイル操作の各所がまとめて高速化されることで、待ち時間が積もって生じる細かなストレスが日常から減っていきます。9to5Macは5K BenQモニターと組み合わせた使用感を「素晴らしい」と評価しており、iPadを「より普通のコンピュータ」として使いたい層には特に効いてきます。デスクトップOSにより近い感覚で扱える方向へ、iPadOSがMacとの距離をさらに詰めてきた格好です。

⑤ SiriAI Search——インデックスが進むほど精度が上がる検索体験

iPadOS 27でSiriAIまわりの大きな変化として9to5Macが取り上げているのが、SiriAIによる検索です。鍵を握るのがインデックス処理で、iPadOS 27へアップデートした直後は、デバイスが数日から数週間にわたって裏側でインデックスを進めるため、データ量が多いほど時間がかかります。

その代わりインデックスが進むにつれ、Siri検索の精度は「数週間前と比べて桁違いに良くなる(light-years better)」と評されるレベルへと引き上げられていきます。9to5Macは、この検索体験の刷新がiPadOS 27の使い勝手を底上げする要素になると伝えています。

リリーススケジュールと“地味だが効く”周辺強化

iPadOS 27は2026年7月にパブリックベータ、同年9月に正式版がリリースされる予定です。日常使いに直結する強化点としては、以下のような項目が公式に挙げられています。

  • 対応Apple製品間でのAirDrop転送が最大80%高速化
  • Liquid Glassインターフェースの透明度を調整できるコントロールの追加
  • Spotlight・Photos・Mailを横断する検索精度の改善

ウインドウ操作やメニューバーまわりの体感速度向上と並んで、これらの基礎機能の底上げが「これまでで最良」と評される使い心地を支えています。特にAirDropの大幅高速化は、ファイル受け渡しの待ち時間を圧縮する効果が期待でき、Liquid Glassの透明度調整は視認性の好みに合わせて見た目をチューニングできる点が実用的です。Spotlight・Photos・Mailの横断検索強化も加わり、派手な新機能ではないものの、毎日触れる導線が確実に軽くなる構成になっています。

Siri AI対応条件と地域差——M4/12GBラインとEU除外

Siri AIの“フル体験”はハードウェア要件が明確に線引きされており、地域による提供差も生じています。Appleが公表した条件は次のとおりです。

項目条件
Apple Intelligence全般M1以降のiPad、またはA17 Pro搭載iPad mini
新Siri AIフル機能M4またはM5搭載かつ12GB以上のユニファイドメモリ
表現豊かな音声・高度ディクテーションメモリ12GB以上の機種に限定
EU地域Digital Markets Act(DMA)を理由にSiri AIを当初非提供

Apple Intelligenceそのものは比較的広い世代のiPadで動作する一方、SiriAI検索や自然言語ショートカットの精度を最大限引き出すには、メモリ12GBラインが事実上の境界線となっています。EUについてはDMAを理由にSiri AIが当初提供されない見通しが示されており、購入機種だけでなく利用地域も体験を左右する要素となっています。

Q&A

Q. 今すぐ試して効果を感じやすい機能はどれですか? 9to5Macの記述で即効性が高いのは、Magic Keyboard着脱トリガーと自然言語によるショートカット作成です。設定が短時間で済み、日々の作業導線がその場で変わります。一方、SiriAI検索は本領発揮までインデックスの進行を待つ必要があるため、効果を体感するには時間がかかります。

Q. M4 iPad Pro以外でも効果は感じられますか? 今回の検証はM4 iPad Proで行われており、それ以外の機種での挙動は公開情報の範囲では明らかにされていません。ただしウインドウ切り替えやメニューバー呼び出しの高速化、Safariのタブ自動整理、自然言語ショートカットといった機能はソフトウェア由来の改善であり、対応モデルでは恩恵を受けやすい設計といえます。

出典