Xiaomiの2026年第1四半期決算は、明暗の入り混じる内容となりました。スマートフォン出荷は前年同期比19.2%減の3,380万台と落ち込んだ一方、平均販売価格(ASP)はCNY 1,310(約2万6千円)へと上昇し、単価改善の流れは続いています。利益はCNY 6.1 billion(約1,220億円)で、前年同期比43.1%減という厳しい数字も同時に明らかになりました。

出荷台数3,380万台、Top5メーカー中で最大の19.2%減

GSMArenaは、Xiaomiが2026年Q1にスマートフォン3,380万台を出荷し、前年同期比19.2%の減少を記録したと報じています。この下落幅はグローバル上位5メーカーの中で最大で、GSMArenaは「部品価格の高騰がXiaomiのスマートフォン事業に影響した」と説明しています。

主要メーカーのQ1出荷動向は次の通りです。

順位メーカー前年同期比
#3Xiaomi-19.2%
#4Oppo-6.6%
#5vivo-6.7%
-Samsung+8.0%
-Apple+9.9%

Xiaomiの下落幅はOppo・vivoと比べて約3倍規模であり、上位2社のSamsung・Appleはむしろ伸びている点が対照的です。それでもXiaomiはOppo・vivoに対して十分なリードを保ち、グローバル3位の座は維持しました。

地域別シェアの内訳──ホーム市場の中国では3位、シェア16%

地域ごとに見ると、Xiaomiのプレゼンスには明確な濃淡があります。

  • ラテンアメリカ: 2位
  • 欧州・アフリカ・中東・東南アジア: 3位
  • インド: 4位
  • 中国(ホーム市場): 3位、3月末時点で16%のシェア

ホーム市場の中国でも3位という位置付けであり、シェアは16%にとどまります。グローバル3位を支えているのは新興市場での強さといえる構図です。

ASPはCNY 1,310へ上昇、ウェアラブルは堅調・タブレットは後退

平均販売価格(ASP)は前四半期のCNY 1,211(約2万4千円)からCNY 1,310(約2万6千円)へさらに上昇し、前年同期比では8%増となりました。出荷台数が落ちる一方で単価は上がる、典型的なミックス改善のトレンドが続いています。

ウェアラブル分野は引き続き強さを示しています。

  • スマートバンド: グローバル3位、中国2位
  • TWS(完全ワイヤレスイヤホン): グローバル2位、中国2位

一方、タブレット事業では順位を下げました。出荷が13.6%減少し、グローバルでTop 3から脱落して5位に後退しています。これに対しHuaweiは28.6%増で3位に浮上し、Lenovoも20.0%増で4位に入る形となりました。Xiaomiの落ち込みは、競合の躍進と対比すると一層目立つ結果となっています。

EV事業はYU7がSU7を逆転、利益は43.1%減

EV部門ではQ1に80,856台を出荷しました。出荷の主役はXiaomi YU7シリーズで、すでにXiaomi SU7シリーズを上回るボリュームに成長しているとされています。

全社の業績では、Q1 2026の売上高はCNY 99.1 billion(約2兆円)、利益はCNY 6.1 billion(約1,220億円)でした。前年同期はそれぞれ売上高CNY 111.3 billion(約2兆2千億円)、利益CNY 10.7 billion(約2,140億円)だったため、利益ベースでは43.1%という大幅な減少です。

リーク・速報を消費する読者へ──「上位3位維持」の数字だけでは読み解けない

ヘッドラインだけ見ると「グローバル3位維持」「ASP上昇」と前向きにも映りますが、内訳を細かく追うと、出荷台数の19.2%減・利益の43.1%減・タブレットのTop3陥落といった逆風が複数同時に起きていることがわかります。グローバル3位の維持とASP上昇という前向きな数字の裏で、出荷台数と利益が大幅に減少している点を合わせて読み解くことが重要です。続報を待ちましょう。

メモリチップ高騰の業界構造──Xiaomiが特に痛手を受ける理由

スマホ出荷の落ち込みの裏側には、業界全体を覆うメモリ価格の急騰があります。2026年Q1のメモリチップ価格は80〜90%も急騰しており、その背景にはAIデータセンター向けに供給が振り向けられたことがあります。市場全体への波及も大きく、IDCは2026年のスマホ市場が12.9%縮小すると予測し、Gartnerは価格が13%上昇すると見込んでいます。

Xiaomiが他社よりダメージを受けやすい構造

中国国内でも値上げは顕在化しており、3月以降にスマホは200〜400元値上がりし、Xiaomiも3モデルを約200元引き上げています。Samsungは自社でメモリを製造しているため有利な立場にある一方、Xiaomiはプレミアム比率が低いため、価格高騰のダメージを吸収しにくい構造にあります。CEOのLu Weibing氏は、今回のメモリ価格高騰が2027年末、場合によっては2028年まで続く可能性があると見通しを示しています。

EV事業の最新動向──Q1は赤字拡大も、YU7新変種で攻勢

EV部門は出荷を伸ばす一方で、収益面では課題を抱えています。2026年Q1のEV部門の営業損失は31億元に達し、1台あたりに換算すると5,600 USDの赤字となっています。販売台数自体は伸びており、4月単月では36,702台のうちSU7が73%を占め、YU7シリーズの累計販売は4月末時点で232,000台に到達しています。

項目数値
Q1 EV部門営業損失31億元
1台あたり損失5,600 USD
4月単月販売36,702台
YU7累計(4月末)232,000台
2026年通年目標550,000台

通年目標の550,000台は、2025年実績の411,837台から約34%増にあたります。攻勢策として5月21日にはTesla Model Y対抗のYU7 Standard(233,500元)とYU7 GT(389,900元)を発表しました。高性能版のYU7 GTは1,003 PSを発揮し、ニュルブルクリンクで7:22.755のSUV最速ラップを記録しています。

Q&A

Q. なぜXiaomiの出荷台数だけ大きく減ったのですか? GSMArenaは「部品価格の高騰がXiaomiのスマートフォン事業に影響した」と説明しています。同時期にSamsungとAppleはむしろ前年同期比でプラス成長しており、Top5の中でXiaomiの19.2%減が突出した格好です。

Q. ASPが上がっているのに利益が大幅に減っているのはなぜですか? 平均販売価格はCNY 1,211(約2万4千円)からCNY 1,310(約2万6千円)へと上昇しましたが、出荷台数自体が19.2%減っており、Q1の利益は前年同期比43.1%減のCNY 6.1 billion(約1,220億円)にとどまっています。利益減の具体的な要因についてGSMArenaは明示しておらず、詳細は出典元を参照してください。

Q. タブレットでXiaomiがTop3から外れた一方、どこが伸びたのですか? Huaweiが28.6%増でグローバル3位に浮上し、Lenovoが20.0%増で4位となりました。Xiaomiは13.6%減で5位に後退しています。

出典