iOS 27でVisual Intelligenceに5つの新機能が追加され、主な起動経路がカメラアプリの新しい「Siri Mode」に切り替わりました。さらにiPadOS 27・macOS Golden Gate・visionOS 27にも展開され、iPhoneだけの機能ではなくなっています。料理を撮るだけで栄養価がわかり、レストランの伝票から割り勘までこなす——そんな日常の使い方を意識した変化点を、MacRumorsの解説をもとに整理します。
起動経路はカメラアプリの「Siri Mode」へ——Camera Control長押しも継続
iOS 27では、Visual Intelligenceの主な起動経路がCamera Controlボタンからカメラアプリの「Siri Mode」へ置き換わりました。写真・ビデオなどのモードと並ぶ位置にSiri Modeが新設され、スワイプで切り替えて被写体を撮ると、Siriが見ているものを把握します。下にスワイプすれば詳細情報が表示され、そのまま追加の質問も投げかけられます。
Siri ModeがVisual Intelligenceにアクセスする主要な手段となりましたが、Camera Controlボタンを長押しすることで従来通り呼び出すことも引き続き可能です。
SiriがそのままWeb検索、ChatGPT受け渡しの出番が減る
Visual IntelligenceはSiri AIと統合され、見ているものについてSiri自身が回答するようになりました。従来は複雑な質問がChatGPTに引き渡されていましたが、強化されたSiriがWeb上の情報を取りに行けるため、その必要性は減ったと説明されています。
撮影対象に応じたスマートサジェストも提供されます。植物を撮影すれば品種の特定を提案し、料理を撮影すれば栄養価の情報を提示する——「料理を撮るだけで栄養価が分かる」という体験が標準化された格好です。ただしカロリーの具体的な数値までは示さず、栄養価の良し悪しを伝えるにとどまる仕様となっています。
追加された5つの新機能——割り勘・名刺取り込みなど
新たに加わった主な機能は以下の5つです。
- 栄養情報の確認: 食事や食品を撮影して栄養価をチェック
- 割り勘機能(米国のみ): レストランの伝票を撮影して自分が食べた分を切り分け、Apple Cashで送金・請求が可能
- 複数イベントの一括取り込み: スケジュール表やリストからCalendar・Remindersへ一度に追加
- 連絡先の取り込み: 名刺の写真から連絡先を作成
- Walletパス化: 会員証などのバーコード写真をWalletパスに変換
割り勘機能は米国のみの提供となっており、日本での利用はできません。
このほか、洗濯ラベルを読み取って洗濯方法を案内する、レシピの分量をスケーリングする、原材料表示からアレルゲンを確認する、手書きメモを文字起こしする、分かりにくい駐車標識を解読する、ワークシート上の数式を解くなど、Siriが対応するあらゆるタスクをこなします。植物・動物・昆虫・ランドマーク・美術品・書籍などの識別や、Google画像検索、Etsy・Amazon・Anthropologieでの商品検索といった従来機能も継続して利用できます。
iPad・Mac・Vision Proにも展開——3OSで共通体験
Visual IntelligenceはiPadOS 27、macOS Golden Gate、visionOS 27にも拡張されました。
- Mac:
Command + Shift + Spaceのキーボードショートカットで起動し、画面の一部を選択して質問できます - iPad: スクリーンショットを撮るか、Apple Pencilで左下からスワイプアップしてアクセスします
- Vision Pro: 周囲の物体を見るだけでVisual Intelligenceを利用できます
また、Visual Intelligence経由でのSiriへのリクエストはSiriアプリに保存され、後から見返せます。保存期間は1ヶ月・1年・無期限から選択できます。
対応デバイス——iPhone 15 Pro以降が必須
iOS 27のVisual Intelligenceを利用するには、iPhone 15 Pro以降が必要です。MacではApple siliconチップ搭載モデル、iPadではApple siliconまたはA17 Proを搭載したiPad miniが対象となります。手持ちの端末がiPhone 15 Pro未満の場合、本機能は利用できないため、買い替えを検討する際の判断軸の一つになりそうです。
iPhone 15 Pro以降のユーザーにとっては、カメラを向けるだけで栄養価のチェックから手書きメモの文字起こし、洗濯ラベルの解読までこなせるようになり、日常で「ちょっと調べたい」場面の多くがカメラアプリ一つで完結するようになります。3OS横断で同じ体験が使えるようになる点も含め、Apple Intelligenceの実用度が一段引き上がる更新と言えそうです。
Visual Intelligenceを支えるAFM 3——5モデル構成とハイブリッド処理
Visual IntelligenceがSiri AIと深く統合された背景には、WWDC 2026で発表された第3世代Apple Foundation Models「AFM 3」があります。AFM 3は5モデルからなるファミリーで、20Bパラメータのスパース構造を持つオンデバイス向け「AFM 3 Core Advanced」を含んでいます。
| 区分 | モデル | 処理場所 |
|---|---|---|
| オンデバイス | AFM Core / Core Advanced | iPhone・iPad・Mac本体 |
| サーバ | 上位モデル | Private Cloud Compute |
AppleはGoogleのGeminiモデルとクラウド技術を活用する複数年契約を結んでおり、契約規模は年間約10億ドルとされています。オンデバイスのAFM CoreおよびAFM Core Advancedと、サーバ側のPrivate Cloud Computeを組み合わせるハイブリッド構成が採用されており、軽量な処理は端末内、重い処理はサーバ側へという役割分担で動作します。Visual IntelligenceがSiri自身でWeb情報まで取りに行けるようになった裏には、こうした基盤レイヤの刷新があります。
切り替え可能なサードパーティAIとプライバシー設計
Visual Intelligence経由で発生するSiriへの問い合わせは、Appleの定めるプライバシーアーキテクチャの上で処理されます。Craig FederighiはWWDC基調講演で次のように述べています。
「AIにおけるプライバシーは譲れない」
拡張フレームワークによる外部AI接続
iOS 27の開発者ベータには、Siri内部でAIエンジンを切り替えられる拡張フレームワークが組み込まれています。ChatGPT・Anthropic Claude・Google GeminiといったサードパーティAIをApp Store経由で導入し、Apple Foundation Modelsのエンドポイントとして機能させる設計です。これによりユーザーは用途に応じて好みのモデルを選び、Visual Intelligenceで撮影した画像や質問の解析先を切り替えられる余地が生まれます。プライバシー要件はAppleの2026年のAI推進においても引き続き最重要事項に位置付けられており、Federighi氏の発言はこの方針を改めて示したものとなっています。
Q&A
Q. iPhone 15や旧モデルでもVisual Intelligenceは使えますか? iOS 27のVisual IntelligenceはiPhone 15 Pro以降が必要です。標準のiPhone 15以下では利用できません。
Q. 割り勘機能は日本でも使えますか? レストランの伝票を読み取って割り勘する機能は米国限定で提供されており、日本での利用はできません。
Q. ChatGPT連携はなくなったのですか? 強化されたSiriがWeb検索まで自分でこなすようになり、これまでChatGPTに引き渡されていた複雑な質問もSiri単体で完結するケースが増えました。一方、ChatGPT連携そのものの扱いについては明示されていないため、現時点で公開情報の範囲ではこれ以上の判断はできません。