1.4nm、性能最大15%向上、あるいは電力30%削減——Bloombergが報じた2028年ハイエンドiPhoneの姿は、いま手元のiPhoneとは別物のレベルに踏み込みそうです。Appleは2028年のハイエンドiPhoneで、TSMCの1.4nmプロセスを採用した「A22 Pro」チップに移行する可能性があると伝えられています。製造の大半はTSMCが担うものの、AppleはIntelへの一部委託も検討中という。2026年9月に登場が見込まれるiPhone 18 Pro世代から始まる、次世代プロセスのロードマップが見えてきました。

2nmから1.4nmへ——最大15%の性能向上か、30%の電力削減か

現行のiPhone 17シリーズは、TSMCの第3世代N3P(3nm)プロセスで製造されています。2026年9月に発表が見込まれるiPhone 18 Pro、iPhone 18 Pro Max、そして折りたたみiPhoneでは、いよいよ次世代の2nmプロセスへ移行する見通しです。2027年のチップも引き続き2nm、Appleが1.4nmへ進むのは2028年の一部チップから、というのがBloombergが描くロードマップです。

TSMCの1.4nm世代である「A14」ノードは、2nmの「N2」ノード比で最大15%の性能向上、あるいは同性能で30%の電力削減を実現するという。ハイエンドiPhoneにとっては、ピーク性能とバッテリー持ちのどちらかを大きく改善できる選択肢となります。

読者にとっての意味——iPhone 18世代は「2nm元年」、本命は2028年か

買い替えを検討している読者にとって、2026年のiPhone 18 Pro世代は3nmから2nmへの大きなプロセス更新となり、性能・電力効率の双方で体感できる変化が期待できます。一方で、1.4nmによるさらなるジャンプは2028年まで待つ必要があるため、世代を跨いだ長期使用を前提とするなら、購入タイミングの判断材料になりそうです。

ただし、ここまでの情報はBloombergの報道とリーク情報に基づくものであり、A22 Proの仕様もIntelの関与も公式には確認されていないとされます。続報を待ちつつ、現時点では2028年のロードマップ像として受け止めるのが妥当でしょう。

Intelが一部生産を担う可能性——サプライチェーン分散の狙い

注目されるのは、TSMC一極依存からの脱却に向けた動きです。AppleはIntelに一部のチップ製造を委託することを検討中だという。かつてMacではIntel設計のチップを採用していましたが、今回の枠組みでは、IntelがAppleの設計に基づいてArmベースのチップを製造する形になるとされています。

現時点のリーク情報では、IntelはまずiPadやMac向けの下位チップを担当する見通しです。ただし、IntelのCEOであるLip-Bu Tan氏は、より先進的なプロセスノードに注力することでファウンドリ事業の立て直しを目指しているという。Intelは1.4nm向けの「14A」ノードを開発中で、2028年の量産開始を見込んでいると伝えられています。先行するリーク情報では、Intelが2028年に非Proモデルのチップを製造する可能性も指摘されています。

Tim Cookも認めたTSMC供給逼迫——iPhone 17にも影響

ノード微細化が進むほど、製造コストは上昇し、最先端チップの生産能力も限定的になります。さらに、TSMCの高性能・高効率チップはNVIDIAなどAIサーバー製造企業からの需要が非常に大きく、コンシューマー製品向けの供給が圧迫されている状況だという。

直近の決算説明会では、Tim Cook CEO自身が、当四半期のiPhone 17の供給が制約を受けたと認めています。TSMCから十分な数のA19およびA19 Proチップを確保できなかったことが理由とされています。Appleが調達先を分散させようとしている背景には、こうした供給リスクが存在しています。

TSMCの長期ロードマップ——A14の先に控えるA13・A12と歩留まり前倒し

TSMCは2026年のNorth American Technology Symposiumで、2029年までの製造プロセスロードマップを公表しています。1.4nm級のA14に続き、1.3nm級の「A13」と1.2nm級の「A12」、さらにN2Uが新たに発表され、その一方で2nm世代の「A16」は2027年へとずれ込んだとされています。

A14の技術的特徴

指標内容
トランジスタ第2世代GAAナノシート
ロジック密度N2比で20%超向上
派生版Super Power Rail対応版を2029年に予定
開発状況歩留まりは予定より前倒しで進行

A14は単なる微細化にとどまらず、第2世代GAAナノシートによる電力・性能特性の刷新を伴う世代交代として位置づけられています。歩留まりが計画を上回るペースで進んでいる点は、2028年の量産開始というスケジュールの確度を高める材料となっています。A13・A12というさらに先のノードまでロードマップが具体化されたことで、TSMCの長期的な微細化路線の見通しが鮮明になってきました。

Intel 14Aの進捗——PDK 0.9提供と顧客交渉の現在地

Intelの1.4nm世代「14A」については、リスク生産が2028年、量産は2029年に計画されていると伝えられています。外部顧客向けのプロセス設計キット(PDK)0.9版は2026年10月に提供される見通しで、本格的な顧客獲得に向けた重要なマイルストーンとなります。

  • IntelはAppleおよびTeraFabを含む主要顧客と既に協議中とされています
  • Lip-Bu Tan氏は2025年3月にIntel CEOへ就任しています
  • 同氏は戦略の集中と規律ある実行を掲げ、ファウンドリ事業の立て直しを主導しています

0.9 PDKの外部提供は、Intelファウンドリにとって顧客がチップ設計を本格的に進められるかを左右する局面となります。

Apple自身が既に協議の相手として名前が挙がっている点は、Intelへの一部委託検討という流れと整合しています。量産歩留まりの確保と顧客獲得の実績が、14A世代におけるIntelファウンドリ事業の成否を分ける要素になっていきます。

Q&A

Q. なぜAppleは2028年まで1.4nmを待つのですか? TSMCのロードマップでは、2026〜2027年のiPhoneは2nm(N2)世代で、A14(1.4nm)への移行は2028年の一部チップからと報じられているためです。微細化はコスト上昇と生産能力の制約を伴うため、段階的な移行が前提となります。

Q. 2nmと1.4nm、どちらの世代で買うべきですか? 2026年のiPhone 18 Pro世代は3nm→2nmへの大きな更新で、性能と電力効率の体感差が期待されます。一方で、1.4nmへのさらなるジャンプは2028年まで待つ必要があるため、長期使用前提なら2028年世代も有力候補となります。

Q. IntelがiPhoneのチップを作るのは確定ですか? 確定していません。Appleが検討しているとの報道段階で、当面はiPadやMac向けの下位チップが想定されていますが、2028年に非ProのiPhoneチップを担う可能性も指摘されています。

出典