GSMArenaが実施した5機種によるセルフィー動画のブラインドテストで、ストリート価格€300(約4万8千円)未満のSamsung Galaxy A37が、Samsung Galaxy S26 UltraやOppo Find X9 Ultra、vivo X300 Ultraといったウルトラ級フラッグシップを抑えて1位を獲得しました。一方で、同じSamsungのGalaxy S26 Ultraが最下位に沈むという、ブランド内で明暗が分かれる結果となっています。

€300未満のA37がウルトラ機を撃破

GSMArenaは、TikTok・Instagram・YouTube・自社サイトの投票機能を通じて、5機種の4Kセルフィー動画を読者にブラインド評価してもらう企画を実施しました。比較対象となったのは、Samsung Galaxy A37、Samsung Galaxy A57、Samsung Galaxy S26 Ultra、Oppo Find X9 Ultra、vivo X300 Ultraの5機種です。

結果として、Galaxy A37が「最も画質が良い」票を大差で集めて1位に。Galaxy A57が2位、Oppo Find X9 Ultraが3位となりました。GSMArenaは「『フラッグシップキラー』という呼称がGalaxy Aシリーズに使われたことはこれまでなかったが、4Kセルフィー動画に関してはA37が上位機種と戦える実力を見せた」と評し、A57についても「very well(非常に良かった)」と評価しています。

価格を見ると、Galaxy A37は128GB/6GB RAMで$374.99(約5万8千円)、256GB/8GB RAM版が$494.99と、比較対象の中で圧倒的に安価です。対するGalaxy S26 Ultraは256GB/12GB RAM版が$1,099.99(約17万円)、vivo X300 Ultraに至っては1TB/16GB RAM版が€1,999(約32万円)です。GSMArenaは「最大€2,000のウルトラ級フラッグシップに対する完璧な勝利」と表現しています。

新型SoC勢を退けたA37——枯れたチップの強み

Galaxy A37のセルフィーカメラは、12MPで1/3.2インチセンサーという控えめなスペックです。SoCはExynos 1480を搭載しています。スペックだけ見れば、50MP・1/2.75インチセンサーとSnapdragon 8 Elite Gen 5を搭載するOppo Find X9 Ultraに勝てるはずがありません。

GSMArenaは、A37が勝った理由として画像処理の成熟度を挙げています。Exynos 1480は2024年のGalaxy A55で初めて搭載されたチップで、A37はこのチップを採用する4台目の端末にあたります。2024年以来、Samsungが画像処理を磨き上げてきた結果だとGSMArenaは推測しています。

一方で、新型Snapdragon 8 Elite Gen 5を搭載するOppo Find X9 Ultraとvivo X300 Ultraについては、SoCが新しく画像処理のチューニングがまだ追いついていないとGSMArenaは指摘しています。Galaxy A57は新しいExynos 1680を搭載していますが、ブラインドテストでは2位を獲得しており、こちらも高評価を得ています。

vivo X300 Ultraは「嫌い」票が「好き」票を上回る

Oppo Find X9 Ultraの動画は「好きか嫌いかが分かれる」傾向にあり、評価が二極化した格好です。さらに注目すべきは、€1,999という最高価格帯のvivo X300 Ultraについて、GSMArenaが「『嫌い』票が『好き』票を上回った」と明記している点です。最新ハードウェアと高価格が画質評価に直結しないことを象徴する結果と言えます。

S26 Ultraが最下位——同じブランドで明暗

最も衝撃的だったのは、Galaxy S26 Ultraが「最も画質が悪い」票を多く集めて最下位になったことです。Samsungは同じテストで1位(A37)と2位(A57)を独占しており、セルフィー動画のチューニング能力は明らかに持っています。さらにS26 UltraはA37・A57が持たない位相差オートフォーカス(PDAF)まで搭載しており、ハードウェア面では有利なはずでした。

S26 Ultraに使われているセンサーは12MPのISOCELL 3LU(S5K3LU)で、これはS24・S23シリーズ(無印・Plus・Ultraすべて)でも使われてきた、決して新しくないセンサーです。GSMArenaは「新しいチップセットに合わせて画像処理を作り直す必要があったのだろうが、Samsungはもうこれをマスターしているはずだ」と困惑を隠さず、原因の推測は避けています。

最新=最高画質とは限らない

結果を表形式で整理すると以下のようになります。

順位機種セルフィー仕様参考価格
1位Galaxy A3712MP・1/3.2インチ・固定焦点$374.99〜
2位Galaxy A5712MP・1/3.2インチ・固定焦点$549.99〜
3位Oppo Find X9 Ultra50MP・1/2.75インチ
4位vivo X300 Ultra50MP・1/2.76インチ€1,999〜
5位Galaxy S26 Ultra12MP・PDAF搭載$1,099.99〜

センサーサイズや画素数といったスペックよりも、画像処理パイプラインの成熟度のほうがセルフィー動画の実画質に効くという、興味深い結果になっています。新型SoC搭載直後のフラッグシップは、画像処理が安定するまで時間がかかる場合があり、最新=最高画質とは限らないことを示唆する内容です。

なお、これは読者投票によるブラインド評価であり、ラボでの定量測定ではない点には留意が必要です。Galaxy A37の購入を検討している方にとっては、自撮り動画を重視するユーザーへの強い後押し材料になりそうです。

Galaxy A37の周辺スペックと長期サポート体制

ブラインドテストでは語られなかったA37の基本仕様面にも、注目すべきポイントが揃っています。

ハードウェア・ソフトウェアの主な特徴

  • 2026年3月25日に発売され、Android 16とOne UI 8.5を搭載しています
  • 6年のOSアップグレードと6年のセキュリティ更新により、2032年まで長期サポートされます
  • 5,000mAhバッテリーと45Wの有線急速充電に対応しています
  • IP68等級の防水・防塵に加え、ディスプレイにはCorning Gorilla Glass Victus+を採用しています

特筆すべきはA36との比較における画像処理の改良点です。A37はISP(イメージシグナルプロセッサ)が刷新されており、低照度でのノイズ低減と色精度の向上が図られています。さらにOne UI 8.5を介してGalaxy AI機能のサブセットに対応し、Circle to Search、Object Eraser、Voice Transcriptionといった機能が利用できます。€300未満のミドルレンジ機でありながら、フラッグシップに匹敵する6年サポートと堅牢な筐体、AI機能を備えている点が、ブラインドテストでの勝利に留まらない総合的なコストパフォーマンスを支えています。

2026年のSamsung Exynos戦略——AシリーズからS26まで自社チップで揃える

A37の躍進の背景には、Samsungが2026年に推し進めるExynos回帰の大きな流れがあります。2025年12月18日にSamsungはExynos 2600を発表し、Galaxy S26とS26 Plusへの搭載が予定されています。Exynos 2600は世界初の2nmプロセスで製造されたモバイルSoCで、最大3.8GHzのデカコアCPUを搭載しています。

2026年はSamsungがGalaxy S・Galaxy A・Galaxy Zシリーズ全体にExynosを展開する見通しで、System LSIおよびファウンドリ事業にとって節目の年になります。

A37が採用するExynos 1480は2024年3月11日に発表された4nmプロセスのチップで、先代比で電力効率が22%改善し、アプリ起動性能は約13%、マルチコア性能は約18%向上しています。最新2nmのExynos 2600をフラッグシップに据えつつ、ミドルレンジには熟成した4nmのExynos 1480を据えるという階層戦略が、ハードウェアの世代差を超えて画質評価で上位機を凌駕する結果につながっています。

Q&A

Q. Galaxy A37はGalaxy S26 Ultraより本当に画質が良いのですか? GSMArenaの4Kセルフィー動画ブラインド投票では、A37が最多得票で1位、S26 Ultraが「最悪」票を多く集めて最下位となりました。ただしこれは4Kセルフィー動画のみの結果であり、リアカメラや静止画、その他の用途では結論は異なります。

Q. なぜ安価なA37が勝てたのですか? ハードウェアではなくソフトウェアの熟成度が決め手になったと見られています。A37のExynos 1480はGalaxy A55以来4機種目の採用で、2024年以来Samsungには画像処理を作り込む時間が十分にありました。対してOppo Find X9 Ultraやvivo X300 Ultraが採用するSnapdragon 8 Elite Gen 5は登場間もなく、チューニングの余地が残っているとGSMArenaは指摘しています。

出典