前年同点から1ポイント差へ——米国の顧客満足度指数ACSI(American Customer Satisfaction Index)が公表した2026年版のスマートフォン調査で、SamsungがついにAppleを抜いて首位に立ちました。さらに今回初めて計測された「AI機能」が85という高スコアで初登場し、通話やSMSといった定番機能(いずれも86)に肉薄するインパクトを残しています。調査は2025年4月〜2026年3月にメールで集めた26,963件の回答に基づく大規模なものです。

1ポイント差の意味——業界全体スコアも前年比1%回復

MacRumorsが伝えたACSIの最新スコアは、Samsungが81、Appleが80。前年は両社が同点で首位を分け合っていましたが、わずか1ポイント差でSamsungが抜け出しました。携帯電話業界全体のスコアも前年比1%増の79まで回復しています。2025年には4%急落して過去10年で最低水準まで落ち込んでいたため、その反動も含まれています。

ACSIは、新機能が「新たな不満を生まずに日常的な価値へ結びついたとき」に満足度がもっとも改善すると指摘しており、その例としてバッテリー駆動時間のトレードオフを挙げています。実際、バッテリー駆動時間に関する満足度は前年比5%上昇の81となり、改善の体感が数字として表れています。

AI機能スコアは85で初登場、通話・SMSと肩を並べる

今回の調査ではAI統合(AI integration)の項目が初めて計測され、全体で85という高スコアを記録しました。携帯電話の体験項目で最も評価が高いのは、依然として通話とテキストメッセージという基本機能で、いずれも86を獲得しています。AI機能はこれらの「定番中の定番」とほぼ並ぶ水準で初登場しました。

ACSIは、AIが目新しさ(novelty)から実用性(practical utility)へ移行しつつあると分析しています。新しいフラグシップ機の所有者で見ると、最新のGalaxy Sシリーズが84で最も高く、新型iPhoneの所有者は82、Googleのフラグシップは80と続きました。フラグシップ全体のスコアは82で、レガシー機(76)やフォルダブル(72)を大きく引き離しています。

フォルダブルはSamsungが80でリード——Apple参入観測も

フォルダブル市場ではSamsungのリードがより鮮明です。

メーカーフォルダブル満足度スコア
Samsung80
Google72
Motorola70

ただしフォルダブル所有者は、非フォルダブル所有者と比べて不満を訴える割合が3倍に達するとも指摘されており、満足度の絶対水準は依然として通常スマホより低い状況です。ACSIは、Appleがフォルダブル市場に参入すると見込まれていることから、競争環境が今後変化する可能性があると述べています。

MacRumorsは、Appleがこの秋にiPhone 18 Proモデルと併せてフォルダブルiPhoneを投入すると広く予想されていると報じており、7.8インチの内側ディスプレイと5.5インチのカバースクリーンを搭載し、価格はおよそ$2,000(約30万円)になると伝えられています。これはあくまで観測情報であり、Apple自身による公式発表はなされていません。

スマートウォッチはAppleとSamsungが同点首位

スマートウォッチカテゴリでは、Appleが80を維持する一方、Samsungが前年比4%下落したことで首位タイの状態になりました。業界全体ではスマートウォッチの顧客体験指標が広く改善しており、メニューや設定の操作しやすさが7%上昇して80、アプリやアクセサリの接続性が5%上昇して83と、特に伸びが目立っています。

読者への示唆——調査結果から読み取れること

スコア差はSamsung 81対Apple 80と僅差で、どちらが「絶対的に優れている」と言える結果ではありません。新規フラグシップ所有者の満足度ではGalaxy Sシリーズが84、新型iPhoneが82、Googleのフラグシップが80と並んでおり、いずれも高水準にあります。フォルダブル領域ではSamsungが80でGoogle(72)やMotorola(70)を引き離している一方、フォルダブル全体のスコアは72とフラグシップ全体(82)やレガシー機(76)を下回り、満足度の絶対水準は通常スマホより低い状況が続いています。なお本調査は、2025年4月から2026年3月にかけてメール経由で回答を集めた26,963件のサンプルに基づいており、母数の大きさは判断材料として押さえておく価値があります。

Apple参入観測の解像度——「iPhone Ultra」呼称とスペックの最新像

元記事ではAppleのフォルダブル参入観測に触れていますが、その後の報道では呼称・仕様の解像度がさらに上がっています。Mark Gurmanは折りたたみiPhoneを「iPhone Ultra」と呼ぶUltraブランドの提案を行っており、新ラインとして位置付けられる可能性が指摘されています。

主要スペックも具体化しています。

  • 内側ディスプレイ:7.76インチ・2,713×1,920、外側5.49インチ・2,088×1,422、4:3アスペクト比
  • 認証:Face IDを搭載せず、Touch IDを電源ボタンに統合
  • チップ:A20 Pro、RAMは12GB
  • バッテリー:5,000〜5,500mAhとiPhone史上最大の見込み

供給面では懸念も残ります。量産開始は当初6月から8月へ後ろ倒しされ、Ming-Chi Kuoは2027年に入っても供給逼迫が続く可能性を指摘しています。観測情報が積み上がる一方で、Apple自身の公式発表はなされていません。

Samsungの「Agentic AI」シフト——AI機能スコア85の中身

ACSI調査でAI統合スコア85という高評価を生んだ背景には、2026年2月に「第3世代AIフォン」「agentic phone」として発表されたGalaxy S26のAI体験刷新があります。Bixbyは自然言語に対応し、Galaxy AIエージェントの単一エントリからBixbyに加えGeminiやPerplexityも選択可能になりました。

S26世代で追加された主なAI機能

  • Now Nudge、Now Brief、Circle to Searchの複数オブジェクト対応などの新機能群
  • S26限定の4新機能(Advanced Audio Eraser、Call Screening、Creative Studio、改良版Photo Assist)
  • オンデバイスGeminiによるGoogle Scam DetectionのSamsung電話アプリ統合

これらS26限定の4新機能はOne UI 8.5を通じて旧機種にも展開されています。スコア85は単発機能ではなく、エコシステム横断の体験設計の成果として読み取れます。

Q&A

Q. SamsungとAppleの満足度スコアの差はどれくらいですか? ACSIの2026年調査では、Samsungが81、Appleが80で、わずか1ポイント差です。前年は両社が同点でしたが、今回Samsungが抜け出しました。

Q. AI機能の満足度はどの程度評価されていますか? AI統合の項目は今回初めて計測され、全体スコアは85でした。通話とテキストメッセージ(いずれも86)に肉薄する水準で、目新しさから実用性のフェーズへ移りつつあると分析されています。

Q. フォルダブルの満足度が通常スマホより低いのはなぜですか? ACSIは、フォルダブル所有者が非フォルダブル所有者と比べて不満を訴える割合が3倍に達すると指摘しています。フォルダブル全体のスコアは72で、フラグシップ全体の82やレガシー機の76を下回る水準です。

出典