Huaweiが、縦方向に「2回」折りたたみ、本体を「3セクション」に分割する“S字型”三つ折りスマートフォンの特許を出願していると報じられました。2つのヒンジで支える構造で、閉じればクラムシェル風のコンパクトな塊に、開けば縦長のスマホ型ディスプレイへと姿を変えるという珍しい設計です。商品化されるかどうかは現時点で明らかにされていません。
S字型に2回折る、縦三つ折り設計
Android Headlinesによると、新たに発見された特許には「S字型の折りたたみ構造(S-shaped folding design)」を持つHuaweiの折りたたみ機が描かれているとのことです。特許はPostFastとDavid氏(@xleaks7)の協業によって発見されたと伝えられています。
端末は1回ではなく2回折りたたまれ、3つのセクションに分かれる構造になっています。これを支えるために2つのヒンジが使われている可能性があり、完全に折りたたむと側面から見て薄い層が積み重なったような外観になると報じられています。
閉じれば極めてコンパクト、開けば「縦に長い」ディスプレイ
特許画像から読み取れる範囲では、完全に折りたたんだ状態の本体は非常にコンパクトに見えます。一方で展開すると、縦に長いスマートフォン型のディスプレイになる可能性があるとされています。
Android Headlinesは、この縦長の画面は縦方向のコンテンツ消費に向くSNS用途と相性が良い可能性があり、画面が縦に長くなることで体験がよりシームレスになり得ると伝えています。
三つ折りを投入してきたHuaweiが、次に狙う形
Huaweiは折りたたみ機で実験的な形状を試してきたメーカーとして知られています。Android Headlinesによれば、Huaweiは三つ折りスマホやブック型ワイドスクリーン折りたたみ機「Pura X Max」を初めて投入したメーカーであり、通常のクラムシェルとは異なる横長形状の「Pura X」も手掛けてきました。
今回の縦三つ折り特許は、こうした“変わり種フォルダブル”路線をさらに押し進める内容と読めます。
| 形状 | 既存モデル例 | 今回の特許 |
|---|---|---|
| 横折りクラムシェル(ワイド型) | Pura X | 該当なし |
| ブック型ワイド | Pura X Max | 該当なし |
| 横開き三つ折り | Huaweiが初投入と報じられている | 該当なし |
| 縦三つ折り(S字) | 該当なし | 縦長画面・縦コンテンツ向き |
商品化は未確定——“次の折り方”の伏線
今回の内容はあくまで特許段階であり、Huaweiが製品化する意図を持っているかは明らかにされていません。商業的に市販されるかどうかも現時点では不透明です。
ただし、Huaweiがこれまで横折り三つ折りやワイド型ブック折りといった“前例のない折り方”を実際に世に出してきた事実を踏まえると、今回のS字型縦三つ折りも単なる紙の上のアイデアで終わらない可能性があります。次に開く画面の向きが「横」から「縦」へと反転するかどうか——その伏線として、この特許は記憶しておく価値がありそうです。
後継機「Mate XT 2」は2026年10月登場との噂
S字型特許と並行して、Huaweiの既存三つ折り路線では後継機の輪郭も見え始めています。BigGoによれば、Mate XT 2は2026年10月にMate 90シリーズと並んで発表される見通しと伝えられています。
| 項目 | Mate XT 2の噂内容 |
|---|---|
| SoC | Kirin 9050 Pro |
| バッテリー | 6,000mAh超 |
| ヒンジ | 再設計により折り目を低減 |
| カメラ | 50MP広角+50MPペリスコープ望遠+40MP超広角(200MP説もあり) |
カメラ構成についてはAndroid Headlinesが、Mate X7系の50MP+50MP望遠+40MP超広角の組み合わせを継承する可能性、あるいは200MPセンサーを採用する可能性が指摘されていると報じています。ヒンジ再設計による折り目低減は、三つ折り特有の二重折り目をどこまで目立たなくできるかという観点で注目される要素です。S字型特許は、こうした後継機系譜のさらに先を見据えた布石として位置づけることもできそうです。
ライバル各社の三つ折り戦線——Samsung撤退、Apple参入へ
折りたたみ市場の構図そのものも、ここ半年で大きく動いています。三つ折りカテゴリで先行したSamsungが一旦退き、代わりにAppleが参入する構図へと再編されつつあります。
- Samsung Galaxy Z TriFoldは2025年12月12日に韓国で発売され、価格は約2,449ドル、展開時10インチのディスプレイを備えています。
- 米国では2026年1月に短期間販売されましたが、その後Samsungは三つ折りプロジェクトを正式に停止したと報じられています。
- Appleは2026年後半に初の折りたたみiPhoneを投入予定で、Samsungも横長フォルダブル「Wide Fold」を同時期に準備していると伝えられています。
Samsungが三つ折りから退いたことで、三つ折りカテゴリの主役はHuaweiに集中する形となっています。
競合各社が縦折り・横折りといった“通常解”へ回帰するなか、HuaweiのS字型特許は、三つ折り路線をさらに尖らせる戦略的シグナルとも読めます。約2,449ドルという価格帯を一度市場に提示したSamsungの撤退は、三つ折り端末の商業的難しさを示す一方、Huaweiにとっては独占的なポジションを築く余地が広がる局面とも言えます。
Q&A
Q. これは発売が決まった新製品ですか? いいえ。今回明らかになったのは特許出願の内容のみで、Huaweiが商品化を計画しているかは確認されていません。
Q. 既存の三つ折りスマホ(横方向に開くタイプ)と何が違うのですか? 既存の三つ折り機は横方向に開いてタブレットサイズの大画面を作るのに対し、今回の特許は縦方向に2回折る「S字型」構造です。展開時は横長の大画面ではなく、縦に長いスマホ型ディスプレイになる点が大きく異なります。
Q. なぜ「S字型」に折る必要があるのですか? Android Headlinesは特許の構造を「S字型の折りたたみ構造」と表現しており、2つのヒンジで端末を交互の方向に折り返すことで、3セクションを1つのコンパクトな塊に収める設計と伝えられています。同じ方向に2回折る場合と比べ、閉じた状態の見た目をクラムシェルに近づけやすいとの見方もあります。
Q. 2回折りたたむことで耐久性は大丈夫なのでしょうか? 特許段階の情報のため、ヒンジ耐久性やディスプレイの折り目に関する具体的な仕様はAndroid Headlinesの記事では明らかにされていません。現時点では、2つのヒンジを使う構造であることが特許から読み取れる範囲にとどまります。
Q. 過去の三つ折り機と「折る向き」はどう違うのですか? Huaweiが初めて投入したと報じられている三つ折り機は、横方向に開いて大型のタブレット風画面を作るタイプでした。一方で今回の特許は、開いた状態でも縦長スマホの形を保つ「縦方向の三つ折り」である点が決定的に異なります。