Amazonでは$100(約1万5千円)以下で買えるスマートTVが販売され、米国では配信サービスがテレビ視聴の42.2%を占めるとも報じられています。電源を入れた瞬間、観たい配信アプリより先に大量のバナーが目に飛び込んでくる——スマートTVを使う多くのユーザーが経験する違和感の背景には、こうした構造的な事情があります。BGRはその理由を解説しており、端末の低価格化と複数の配信サービスの併用、そして視聴データを使った広告ビジネスが組み合わさった結果だと整理しています。

$100テレビの裏側——なぜホーム画面が広告で埋め尽くされるのか

Amazonでは$100(約1万5千円)以下で買えるスマートTVも販売されています。視聴者はNetflixやAmazon Prime Videoなど複数のサービスを使い分けるのが当たり前になり、アプリを選ぶ前の「ホーム画面」自体が広告と接触する場面になっています。

Nielsenの当時の調査では、2015年第1四半期の米国視聴者のうち、スマートTV・ケーブル・放送など広告対応デバイスでテレビを視聴したのは約72.4%、配信サービスは総視聴の42.2%を占めていたと報じられています。広告主はオーバー・ザ・トップ(OTT)広告への支出を増やしているとされ、ホーム画面はアプリ起動前にユーザーの目に触れる枠として活用されているのが実情です。

あなたの視聴履歴はどこへ行くのか——CTV広告の仕組み

米国では配信サービスでの視聴時間がケーブルを約10%上回っていると伝えられており、その流れの中で「Connected TV(CTV)広告」が拡大しています。CTV広告は、視聴者が「何を」「どのデバイスで」観ているかを追跡し、そのデータを配信プラットフォームに送り返す仕組みです。

例として挙げられているのが、AmazonアカウントとひもづいたAmazon Fire TVのケースです。視聴中のコンテンツや過去の行動データをもとに、「カートに追加してください」と促すターゲティング広告が表示されることがあるとされています。アプリを開く前のホーム画面にも、配信予定の作品や購入候補のプロダクトが並びます。設定からトラッキングを制限することは可能ですが、デバイスの設定メニューを自分で探し当てる手間が必要だと指摘されています。

ACRと広告ID——オフにできるもの、できないもの

スマートTV側の追跡技術として中心になるのが、ACR(Automatic Content Recognition)です。ACRは視聴中のネットワーク・チャンネル・広告・番組を識別して記録する仕組みで、機種によっては設定画面からオフにできるとされています。

もう一つが「広告ID(Advertising ID)」で、視聴履歴をもとにパーソナライズされた広告を表示するために使われます。広告IDは削除・完全オフはできず、リセットによって一時的に個別化の精度を下げられるだけというのが実情です。リセット効果も永続せず、数ヶ月ごとに再度リセットする必要がある場合があるとされています。

追跡機能主な役割ユーザー側の操作
ACR視聴コンテンツの自動認識機種によっては設定からオフ可能
広告ID広告のパーソナライズ削除・完全オフは不可、リセットのみ可能
CTVトラッキング視聴・デバイス情報を配信プラットフォームへ送信設定の奥で制限する余地あり

広告は「減らせる可能性はあるが、ゼロにはできない」——現実的な向き合い方

設定から表示量を減らせる可能性はあるものの、広告がまったくなくなるわけではない——というのが結論として示されている要点です。ACRをオフにし、広告IDをリセットしても、YouTubeなどアプリ内広告や、ホーム画面の広告枠は残るとされています。表示量を減らせる余地はあるものの、完全になくすことは現実的ではないというのが、BGRが示す結論です。

Q&A

Q. 私のテレビでACR設定はどこにあるのですか? 機種やメーカーによって場所が異なり、設定メニューの奥に隠れていることが多いと指摘されています。一般的にはプライバシー関連や視聴データ関連の項目に置かれており、自分で探し当てる手間が必要になる場合があるとされています。

Q. 広告IDをリセットすると視聴履歴も消えるのですか? 広告IDのリセットは、パーソナライズの精度を一時的に下げる効果にとどまるとされています。削除・完全オフはできず、効果も永続しないため、数ヶ月ごとに再度リセットする必要がある場合があると報じられています。

Q. CTV広告とは具体的に何ですか? Connected TV広告の略で、ネット接続されたテレビでの視聴データ(視聴コンテンツ・デバイス情報など)を追跡し、配信プラットフォームに送り返す広告手法です。Amazon Fire TVがAmazonアカウントとひもづき、関連する商品を促す広告を表示するのが代表例として挙げられています。

出典