Android Authorityは、Wear OS 7の発表が、Googleによる特定デバイスへのGemini Intelligence限定方針に大きな穴を空けたと報じています。「将来の一部スマートウォッチ」にGemini Intelligenceの一部機能が提供されると伝えられたことで、スマホ側で対象から外れている旧Pixelオーナーの不満に火がついていると報じられています。

Wear OS 7とGemini Intelligence対応をめぐる論点

Wear OS 7については、将来の一部スマートウォッチにGemini Intelligenceの一部機能が提供される見通しがあると報じられています。具体的にどの強化点が含まれるかや、提供時期・対象機種といった詳細は、現時点では明らかにされていない部分があります。

注目されているのは、「将来の一部スマートウォッチでGemini Intelligenceが使えるようになる」という方針が、Pixelスマートフォン側の対応状況と矛盾しているのではないか、という指摘です。スマートフォンでは一部のPixel機種が対象から外れているとされる一方、スマートウォッチには対応が拡張されることになるためです。

Pixel 9 Pro XLが除外されるとされる構図

Android Authorityによれば、Pixel 9 Pro XLが大容量RAMを搭載しているにもかかわらず、Gemini Intelligenceの全機能対象から外れているとされ、これに対する不満が示されています。Gemini Intelligenceのフルセットを提供する条件としては、最新のTensor G5チップ、もしくは一部のQualcomm/MediaTekの最新チップセット搭載端末が挙げられていると伝えられています。

ただし、対象として挙げられているスマホのなかにはPixel 9 Pro XLよりRAM容量が少ない機種も含まれており、より大容量RAMを搭載するPixel 9 Pro XLが除外される構図になっているとされています。この線引きは「任意的(arbitrary)」であり、新しいスマホへの買い替えを促すためのゲートキープではないかとの見方が示されています。

そのうえで、想定上の次期Pixel Watchがもし登場したとしても、Pixel 9 Pro XLよりも処理性能やRAM容量で上回ることは考えにくく、スマートウォッチで動くなら旧Pixelスマホでも動かせるはずだ、という論旨が示されています。

クラウドかペアリングしたスマホか——「答えは出ている」との見方

Wear OS 7上でGemini Intelligenceを実現するには、いずれかの方法しかないと整理されています。

想定される実装方法内容
クラウド処理演算の一部をクラウドにオフロードする
ペアリングしたスマホを利用近くのスマートフォン側に演算を肩代わりさせる

いずれの方法を採るにしても、それは旧Pixelスマホに同じ仕組みを提供しない理由をむしろ弱めると指摘されています。たとえスマートウォッチ向けが機能を絞った形であっても、「何もないよりはマシ」であり、旧Pixelユーザーも一部機能だけでも歓迎するはずだ、との主張が紹介されています。

なお、コメント欄では「Gemini Intelligenceの対応条件として『対応スマートフォン』が必要、という形にすれば、機能追加と新スマホ販売の両方を訴求できる」という別の見方も寄せられているとされています。

過去の前例とユーザー側の選択肢

Android Authorityは、過去にもGoogleが類似の対応を撤回した例として、Pixel 8でGemini Nanoが当初非対応とされながら、ユーザーの強い反発を受けて回避策が提供されたケースに触れています。Googleは「結果の品質は同等にはならない」と但し書きをつけたものの、結果としてオプトインで利用可能になったと伝えられています。

クラウド経由でやや遅い結果になることを受け入れたうえで、それでも使うか/不満なら買い替えるかという選択肢自体をユーザーに渡してほしい、との主張が示されています。一方で、Pixelオーナーのなかにも「そもそもAI機能を使っていないので気にしない」という反応があることに触れ、声を上げなければGoogle側に回避策を講じる動機が生まれないとの見方も示されています。

なお、読者投票では「気にしない。AIはまだ役に立っていない」と「フラッグシップを買い長期サポートを約束されたのだから当然対応してほしい」が拮抗しているとされていますが、具体的な票数や割合の詳細は、現時点では明らかにされていない部分があります。

Pixel 10 Pro XLの位置づけ

Android Authorityによれば、現行のPixel 10 Pro XLは「Pixel 10ラインの最上位」として紹介されているとされています。Tensor G5チップを搭載するPixel 10シリーズが、Gemini Intelligenceのフル体験を求める場合の事実上の前提になる、という構図が浮かび上がります。具体的なスペックや価格などの詳細は、最新の公式情報や出典元を参照してください。

旧Pixelで全機能対応を強く望むユーザーは、ひとまずGoogleへフィードバックを送りつつ、Wear OS 7とPixel Watch側の正式な動作要件が固まるのを待つのが妥当な判断と言えそうです。

Wear OS 7で旧モデルも享受できるGemini以外の刷新点

Gemini Intelligenceの線引きが議論を呼ぶ一方で、Wear OS 7にはハードウェア要件を問わない刷新も多数含まれています。Android 17をベースとするWear OS 7では、ソフトウェア最適化のみでWear OS 6比最大10%のバッテリー効率改善が見込まれており、既存ユーザーの端末でもアップデートだけで恩恵を受けられます。

既存ウォッチでも利用できる主な新機能

  • TilesがWear Widgetsに置き換えられ、2×1と2×2の2サイズを備え、Android 16のスマホ用ウィジェットと整合する挙動になります
  • Live Updates機能により、配達状況やライドシェアの進捗が時計画面に直接表示されます
  • ASICS Runkeeperと協業した標準化ワークアウト体験が組み込まれ、音声出力切替を担うRemote Output Switcherも搭載されます

これらは旧Pixel Watchユーザーも対象となるため、AI機能の線引きとは別軸でユーザー体験の底上げが図られている構図です。

Gemini Nano v3要件が示すスマホとウォッチ共通の線引き

Gemini Intelligenceがなぜ一部機種に限定されるのか、その根拠も明らかになっています。Wear OS 7上のGemini IntelligenceはGemini Nano v3対応を要件としており、これはスマホ側でPixel 9シリーズやGalaxy Z Fold 7を対象から外している要件と同じです。スマートウォッチでも2026年の新型フラッグシップ、具体的にはPixel Watch 4シリーズと一部Galaxy Watch 8モデルがローンチ時の候補とされています。

スマホとウォッチでハードウェア要件の線引きは一貫しており、Pixel 9 Pro XLが対象外となる構図はチップセット世代に基づく方針の延長線上にあると言えます。

AppFunctions APIが可能にする操作の具体例

ユーザーは「Start tracking my run(ランの記録を開始して)」と話しかけるだけでSamsung Healthでの記録を開始したり、DoorDashでアプリを開かずに注文したりできます

なお、Wear OS 7 Canaryは開発者向けに提供が開始されており、安定版のリリースは2026年後半とされています。

Q&A

Q. Wear OS 7のGemini Intelligenceは、現行のすべてのスマートウォッチで使えますか? いいえ。「将来の一部スマートウォッチ」に限ると説明されているとされ、対象となる具体的な機種やGemini Intelligenceで提供される機能の範囲は現時点では明らかにされていません。

Q. Pixel 9 Pro XLはGemini Intelligenceに非対応のままですか? 報じられている対応条件は最新のTensor G5、または一部のQualcomm/MediaTekの最新チップセットで、Pixel 9 Pro XLは現時点では対象外とされています。Pixel 8でGemini Nanoが後から回避策付きで提供された前例はありますが、今回の方針が変わるかは現時点では明らかにされていません。

Q. Wear OS 7はGoogle I/Oで発表されたのですか? 発表の場の詳細は、公開情報の範囲では明らかにされていない部分があります。Android Authorityは、Wear OS 7の発表が、Googleによる特定デバイスへのGemini Intelligence限定方針に大きな穴を空けたと報じています。

出典