「Hi Bixby」と話しかけることも、画面をタップすることも不要。スマートフォンを手に取って顔に近づけた瞬間に、Bixbyが聞き耳を立てる——そんな新しい操作体験が、SamsungのOne UI 9で現実味を帯びてきました。Android Authorityによると、かねてより噂されていたBixbyの「lift-to-talk(持ち上げて話す)」機能が、より具体的な形で姿を現しつつあるとのことです。
「Hi Bixby」もタップも不要——持ち上げるだけで会話開始
これまでBixbyを起動するには、ウェイクワード「Hi Bixby」を発するか、ショートカットをタップする必要がありました。Android Authorityによると、新しいlift-to-talk機能では、スマートフォンを手に取って顔に近づけるだけで音声コマンドの受付が始まる仕組みとされています。
たとえば料理中に手が粉だらけで画面を触れないとき、満員電車で吊り革を握りながら次の予定を確認したいとき、買い物袋を両手に提げたまま帰宅途中にリマインダーを追加したいとき——こうした「タップも発話準備もしづらい場面」での体験を滑らかにする狙いが読み取れます。AIアシスタントが目指す「小さな摩擦を取り除く」方向性に沿った機能だと位置づけられています。
誤起動への懸念——通知を見るたびにBixbyが反応する?
一方で、実運用での課題も指摘されています。スマートフォンは通知の確認、ロック解除、画面の向きを変えるなど、音声入力以外の目的でも頻繁に持ち上げられるためです。
会話中にふと画面を見ようと端末を持ち上げた瞬間にBixbyが起動して聞き取りを始める、といった「意図しない起動」が日常的に発生しかねません。Samsungがlift-to-talkでどのような誤作動防止策(ガードレール)を組み込むかが、使い勝手を左右する鍵となりそうです。具体的な制御方法については現時点で明らかにされておらず、実際の挙動を見極める必要があります。
いつ使える?——One UI 9ベータには未搭載
Android Authorityによると、このlift-to-talk機能は現時点で公開されているOne UI 9のベータ版には含まれていないとされています。まだ調整段階にあるか、広範なテストに耐えうる段階ではない可能性があると伝えられています。
開発が順調に進めば、今後のベータ更新で追加されるか、One UI 9の安定版ロールアウトで初公開される可能性があると報じられています。なお、今回の情報はAndroid AuthorityによるレポートであってSamsungからの公式発表ではありません。Android Authorityは、lift-to-talk機能がOne UI 9でのリリースに近づきつつあると報じています。現時点では「開発中の機能として観測されている」段階と捉え、続報を待ちたいところです。
One UI 9で広がるBixby——ウィジェット・保証ハブとの連携
lift-to-talkと並行して、One UI 9ではBixbyの呼び出し導線そのものが拡張されています。9to5GoogleおよびSamMobileによると、ホーム画面に配置できるBixby専用ウィジェットが追加され、マイクとキーボードの両アイコンを備えた4×2サイズの入力バー型ウィジェットからテキスト・音声いずれの問い合わせも行える仕様とされています。
- 音声入力に加え、テキスト入力にも対応するハイブリッド設計
- 既存のショートカット起動と併存し、用途に応じて使い分け可能
さらにSamMobileは、設定アプリ内に「Warranty & Care」と呼ばれる新ハブが追加されると報じています。保証情報・診断・修理オプション・リモートアシスタンスを集約し、リンクされたデバイス群に対してBixby音声での操作が組み込まれるとされています。One UI 9はAndroid 17ベースで、Photo Assistの「pills」型AI提案や、よりエージェント的に振る舞うAI機能も予告されており、安定版は2026年7月頃、Galaxy Z Fold 8/Z Flip 8の発表と前後してロールアウトされる見込みです。
One UI 8.5で先行した「新Bixby」とPerplexity連携の文脈
lift-to-talkの登場は、2026年2月にSamsungが正式発表したBixby刷新の延長線上に位置づけられます。Samsung Global Newsroomによれば、One UI 8.5で導入された新Bixbyは「対話型デバイスエージェント」として再設計され、正確な設定名を覚えなくても自然な日常語で端末を操作できるようになりました。
Bixby allows users to control and navigate Galaxy devices using natural language, without the need for exact setting names or commands.(Samsung Global Newsroom)
加えて、検索エンジンPerplexityとの戦略的統合により、ブラウザを開かずにBixbyのUI内でWeb検索結果を表示できる点が大きな変更点です。提供はドイツ、インド、韓国、ポーランド、英国、米国の6市場から開始し、Galaxy S26シリーズと共にデビューしたと案内されています。AndroidHeadlinesによれば、同じBixB系アップデートはスマート冷蔵庫など家電側にも展開が進んでおり、スマホ単体ではなくGalaxyエコシステム全体を覆うAI体験として整備が進められています。
Q&A
Q. lift-to-talk機能はいつから使えますか? Android Authorityによれば、公開中のOne UI 9ベータには含まれていません。今後のベータ更新、もしくはOne UI 9安定版での投入が見込まれていますが、正式な提供時期はまだ公表されていません。
Q. どのGalaxy端末で使えるようになりますか? 対応機種は公表されていません。Android AuthorityはGalaxyユーザー向けの機能として伝えていますが、現時点で具体的な対応機種に関する確定情報は出ていません。
出典
- Android Authority — Samsung Bixby lift-to-talk appears closer to reality in One UI 9
- SamMobile — New One UI 9 features include widgets for Bixby
- Samsung Global Newsroom — Samsung Introduces the New Bixby in One UI 8.5