Pixel向けの留守番電話機能「Take a Message」に、自分で録音したカスタム応答メッセージを設定できる新機能が加わりました。Googleのデフォルト音声ではなく、自分の声で発信者に応答できます。対応国は米国・オーストラリア・カナダ・アイルランド・英国の5か国で、Pixel 6以降かつAndroid 16以降の端末で段階展開中です。
「自分の声」で着信に応答できるようになった
Take a Messageは、Googleが2025年のPixel 10シリーズと同時に投入した機能です。AIが端末上で着信に応答し、発信者にメッセージを残してもらいながら、その音声をリアルタイムで文字起こしする仕組みでした。これまでは応答メッセージがGoogle提供のデフォルト音声に固定されていましたが、2026年6月から自分で録音したカスタム応答に切り替えられるようになりました。
9to5Googleによると、このカスタム応答機能は2026年4月にPhone by Googleアプリのベータ版で先行登場し、現在は対応端末への段階展開が進んでいます。録音できるメッセージは最大1分で、複数のバリエーションを保存しておき、その中から着信時に再生するものを選べます。
設定方法はシンプルです。Phone by Googleアプリの「Home」タブに表示される「A personal touch on your missed calls」というプロンプト、もしくはTake a Messageの設定画面から録音テストが可能です。
動作の仕組みとプライバシー設計
カスタム応答が加わっても、Take a Messageの基本的な動作は変わっていません。クラウドやキャリアのサーバーではなく端末上で動作し、AIが着信に応答し、応答メッセージを再生したうえで発信者の音声を録音、同時にその場で文字起こしを生成します。ユーザーは文字起こしを読みながら「重要そうなので出る」と判断したタイミングで通話に出ることもできます。
迷惑電話対策の側面も大きい機能です。同記事によれば、Take a MessageはPixel向けに開発されたスパム検出機能Call Screenの仕組みを活用しており、不審な番号への対応負担を軽減します。さらに、Pixel 9シリーズと同時に登場した通話録音と要約の機能Call Notesと並んで、Googleが進める「通話まわりのAI強化」の一環として位置づけられます。
プライバシー面では、Take a Messageで生成された録音と文字起こしは端末内に保存され、Googleのサーバーには送信されず、Googleアカウントにも保存されません。不要な録音・文字起こしはユーザー自身で削除できます。
キャリアの留守番電話は依然として必要
便利になったTake a Messageですが、キャリアの留守番電話サービスを完全に置き換えるものではありません。Take a Messageは端末がオン・かつネットワークに接続されているときにしか動作しないため、電源オフ・圏外・ローミング中の着信には反応しません。こうしたシナリオでは、従来どおりキャリアの留守番電話が必要になります。
注意したい挙動として、Pixel BudsのようなBluetoothヘッドセット利用中に着信を拒否した場合、その通話はTake a Messageではなくキャリアの留守番電話に転送されると報じられています。一方で、Pixel Watch 2以降を持つユーザーは、スマートウォッチ側からTake a Messageを起動して着信に応答させることが可能です。
機能は5か国(米国・オーストラリア・カナダ・アイルランド・英国)に限定されており、日本を含む地域では利用できません。現時点では日本ユーザーがこの機能の恩恵を受けることは難しいものの、対応国に該当する環境であれば段階的に降ってきた時点ですぐ試す価値があるアップデートと言えます。続報を待ちましょう。
連絡先ごとの応答メッセージ振り分けが将来検討中
Android Authorityによれば、Take a Messageのカスタム応答は将来的に「連絡先ごとに異なるメッセージを割り当てる」方向へ拡張される可能性が示されています。録音自体は複数本をライブラリに保存できますが、同時にアクティブ化できる応答は1つだけという制約が残るのが現状です。よりパーソナルな自動応答へ進化する余地が残されています。
安定版チャネルへの到達
9to5Googleの報告によると、Phone by Googleアプリの安定版ユーザーへのカスタム応答配信は2026年6月初旬から開始されました。これにより、ベータ版で先行提供されていたカスタム応答機能が、より広範な対応端末ユーザーに届きはじめる段階に入っています。
- 録音ライブラリ: 複数の応答を保存可能
- 同時アクティブ数: 1つに制限
- 将来の方向性: 連絡先ごとの割り当て拡張を検討
- 安定版配信開始: 2026年6月初旬(Phone by Googleアプリ)
Pixel 10で広がる通話まわりのAI機能群
Google公式ブログによれば、Pixel 10シリーズには通話中のAI機能を集約した「Call Assist」メニューが新設され、その代表機能として選択した言語へリアルタイムに音声翻訳を行うVoice Translateが組み込まれました。Call ScreenもPixel 10からオーストラリア・カナダ・アイルランドで利用可能となり、インドでは英語・ヒンディー語に対応したManual Call Screenのベータが順次展開されます。日本ユーザーから見た周辺機能の状況は次のとおりです。
| 機能 | 現在の提供状況 |
|---|---|
| Scam Detection(通話) | 日本を含む12か国で利用可能 |
| Call Screen | Pixel 10で豪・加・愛に拡張、印は英語・ヒンディー語のベータ展開予定 |
| Call Notes | Gemini Nanoが日時から予定・タスク提案、2026年中にAndroid Autoへ拡張予定 |
Q&A
Q. カスタム応答メッセージを使うには何が必要ですか? Pixel 6以降の端末で、Android 16以降が動作していることが条件です。さらに、Take a Message自体が利用できる国(米国・オーストラリア・カナダ・アイルランド・英国)にいる必要があります。
Q. 録音した内容や文字起こしはGoogleに送られますか? 送られません。Take a Messageは端末上で動作し、生成された録音や文字起こしは端末内に保存され、Googleサーバーにもアカウントにも保存されない設計と説明されています。不要なデータはユーザー自身で削除可能です。
Q. Take a Messageがあればキャリアの留守番電話は不要ですか? 不要にはなりません。端末がオフ・圏外・ローミング中の着信や、Bluetoothヘッドセット利用中に拒否した着信は、引き続きキャリアの留守番電話に送られます。重要な着信を取りこぼしたくない場合は、両方を併用するのが現実的です。