Motorola端末でAmazonアプリを開くと、一瞬だけ見覚えのないURLを含むブラウザ画面が表示され、その後Amazonのアフィリエイトリンクへリダイレクトされる――この挙動がアフィリエイト収益の横取りではないかとRedditで疑念を呼んでいました。Motorolaは公式声明で「意図しない挙動」と説明し、すでに修正したことを明らかにしています。

何が起きていたのか

最初に異変を見つけたのはRedditユーザーで、Razr 60 UltraAmazonショッピングアプリを起動した際に、不審なURLを含むブラウザが一瞬だけ開いた後、Amazonアフィリエイトリンクへ飛ばされていたと報告されています。Android Authorityは、この挙動が「Motorolaがアフィリエイト収益を横取りしていたのか、それとも別の懸念事項があるのか」と疑念を抱かせたと伝えています。

調査の過程で、Razr 60 Ultradevicenative.com宛てに大量のリクエストを送信していたこともわかりました。Device NativeはMotorolaと提携している広告関連企業です。さらに、問題のトリガーになっていたのはプリインストールされているSmart Feedアプリだとされています。9to5Googleも自社のRazr Foldで同様の現象を確認し、当該端末ではSmart Feedアプリのバージョン2.03.0070で発生していたと報じられています。9to5Googleは、ブラウザ画面に最初に表示されていた怪しいURLが、あるファッション系インフルエンサーのウェブサイトへリンクしていた点にも触れています。

Motorolaの公式説明

Motorolaは、Android Authority宛の声明で、これは「unintended(意図しない)」挙動だったと説明しています。同社によれば、Device Nativeと共同でMoto App Launcher向けに「アプリ検索・サジェスト体験(app search and suggestion experience)」を開発しており、端末内にインストールされているアプリを素早く見つけて開けるようにする機能を目指していたとのことです。

その過程で、想定外の動作が発生したことを認めています。

「最近Motorolaは、米国で一部のユーザーがAmazon Shoppingアプリを起動する際に、アプリが開く前にウェブトラッキングリンクを経由してしまう問題を特定し、迅速に対応しました。この挙動は意図しないものであり、一貫性のないユーザー体験につながりました。問題を特定した時点で、私たちはルーティング設定をすみやかに修正しました。現在、ユーザーはインストール済みのすべてのアプリが本来どおり直接起動することを期待できます。Motorolaはユーザー体験、プライバシー、プラットフォームの整合性を重視しており、デバイス全体で想定どおりの挙動が保たれているかを引き続き注意深く監視します。」

影響を受けたのは米国の一部ユーザーで、Amazon Shoppingアプリ起動時に限られた現象だとしています。ユーザー側で何か対応する必要はないとのことです。

プリインストールアプリがアプリ起動を“乗っ取れる”という事実

声明を額面どおり受け取れるかは判断が分かれるところですが、本来は無関係であるはずのアフィリエイトリンクと、ブラウザウィンドウが一瞬だけ表示される不自然さを踏まえると、悪意ある意図的な挙動ではなく設定ミスやバグである可能性が高いとAndroid Authorityは見ています。

それでも、今回の件はメーカーが自社の端末に対してどれほど深いコントロール権を持っているかを浮き彫りにしました。アプリを開こうとした瞬間にアフィリエイトリンクや別コンテンツを差し込めるという事実は、それ自体が気になるポイントです。Smart Feedのようなプリインストールアプリ経由で、ユーザーの操作にメーカー側が介在できる構造があるという点は、今後Android端末を選ぶ際に意識しておきたい論点と言えます。

現時点では、Motorolaの説明どおりルーティング設定が修正済みであれば追加の操作は不要と判断するのが妥当です。気になる場合は、設定アプリ→アプリ一覧→Smart Feedの順に開き、バージョンが2.03.0070より新しいかを確認したうえで、Google Play ストア経由で最新の状態にアップデートしておくと安心でしょう。

Device Nativeの対応と機種ごとに異なる再現性

騒動を受けて、広告関連企業Device Native側にも動きがありました。同社はMotorolaとの統合に関する公開ドキュメントだけでなく、開発者向けの公開ドキュメント一式をすべて削除しています。これにより、外部から両社の連携仕様を追跡することは難しくなっています。

また、興味深いのは同じバージョンのSmart Feedを搭載していても、機種によって挙動が一致しない点です。

  • Razr Foldではアップデート後のアプリで現象を再現できる一方、同じバージョンを実行するMoto G Stylus 2026では再現しません。Razr Fold側に別のトリガーが存在する可能性が指摘されています
  • あるユーザーはAndroid 16の最新パッチを当てたMoto Edge 50 Proでも再現できなかったと報告しています
  • アプリドロワーからの起動時にのみ発動する点から、介在はAmazonアプリ内部ではなくシステムまたはランチャーレベルで起きていると見られています

メーカーが「修正済み」と説明したルーティング設定が、どの階層で動作していたのかを推測するうえでも、この再現性のばらつきは示唆的です。

残存リスクへの備えとRazr 60 Ultraのソフトウェア状況

ルーティング設定が修正されたとはいえ、念のために手元の端末でSmart Feed側を制御しておく選択肢もあります。手順としては、設定 > アプリ > Smart Feed > 無効化、と進めれば対象アプリを止められます。9to5GoogleはSmart Feedを無効化することでリダイレクトが直ちに停止することを確認しています。

項目内容
問題が発生するバージョン2.03.0070で発生、2.03.0056などの旧ビルドでは発生せず
発生条件アプリドロワーからの起動時のみ、ホーム画面ショートカットからは発動しない
即時の停止策Smart Feedの無効化

Razr 60 Ultra自体のソフトウェア面では、2026年1月20日にAndroid 16の安定版アップデートのロールアウトが始まり、ブラジルから段階的に配信されています。メーカーはAndroid 17、Android 18の提供も約束しており、今後のアップデートでSmart Feed関連の挙動が改めて整理される可能性もあります。

Q&A

Q. 自分のMotorola端末でも同じことが起きていた可能性はありますか?

  • 機種:Razr 60 Ultra(Redditで報告)/Razr Fold(9to5Googleが確認)など
  • アプリ:Amazon Shoppingアプリの起動時に限定
  • 地域:米国の一部ユーザーが対象と説明されている
  • 兆候:起動時に見覚えのないURLを含むブラウザ画面が一瞬表示され、その後Amazonアフィリエイトリンクへリダイレクト 日本国内のユーザーに同様の現象が広く起きていたかどうかは公表されていません。

Q. ユーザー側で何か対策を取る必要はありますか? Motorolaはルーティング設定をすでに修正済みで、ユーザー側で対応する必要はないと述べています。念のため、Smart Feedアプリを最新バージョンに保っておくと安心です。

Q. Motorolaがアフィリエイト収益を意図的に得ようとしていたのですか? Motorolaは「意図しない挙動」だったと説明しており、Device Nativeと共同で開発していたアプリ検索・サジェスト機能の設定不備が原因だとしています。意図的な収益化だったとは確認されていません。

出典