電話番号、メールアドレス、自宅住所、社会保障番号(SSN)——あなたの個人情報は、いま現在もデータブローカー業界の手で売買されている可能性があると報じられています。Appleのプライバシー保護機能だけでは追いつかない領域に対して、Incogniが250社を超えるデータブローカーへの削除請求を自動で代行するサービスを提供しています。

【日本在住者向け重要事項】 Incogniが法的根拠として用いるのはGDPR(EU)・CCPA(カリフォルニア)等で、対応地域として明示されているのは米国・カナダ・英国・EU・スイスです。日本国内のデータブローカーに対して同等の効果を得られるかは公表情報の範囲では明らかになっていません。利用を検討する際は、自身の居住地と対象法域が一致するかを必ず確認してください。

データブローカーという「合法的な個人情報市場」

データブローカーは、ポイントカードの利用履歴、公的記録、SNS投稿、オンライン上のあらゆる行動データを吸い上げ、個人プロファイルを構築してマーケター・雇用主・大家、さらには犯罪者にまで販売することで数十億ドル規模の産業を築いてきたと9to5Macは報じています。本人への通知も同意取得もないままに、情報が最高額入札者の手に渡る構造です。

Appleのプライバシー機能は、今後発生するトラッキングを部分的に防ぐことはできるかもしれませんが、過去数年にわたって既に数百のブローカーDBに拡散してしまった情報を取り消すことはできないとされています。理論上はユーザーに削除請求権がありますが、実際にはオプトアウト手続きが意図的に複雑化されており、一度削除しても再収集されるイタチごっこが続くため、個人が自力で対処するには月単位のフルタイム作業が必要だと指摘されています。

Incogniの仕組み——GDPR・CCPAを「武器化」

IncogniはVPNサービスSurfsharkのチームが開発したサービスで、欧州のGDPR、カリフォルニア州のCCPAなど、複数国のプライバシー保護法を背景に、ユーザーに代わって250社を超えるデータブローカーへ削除請求を送付します。米国、カナダ、英国、EU、スイスのユーザーが対象で、それぞれの地域で最も強力な法的根拠を使い分けて結果を出すアプローチです。

ダッシュボードでは以下を可視化できるとされています。

  • 自分の情報を保有している可能性のあるデータベース数
  • 送信済みの削除請求件数
  • 完了済みの削除と進行中の案件

削除によって得られる実利

データブローカーDBから情報が消えることで、以下のような効果が期待できるとされています。

  • スパム・ロボコールの減少:番号が買えなくなれば営業電話・迷惑SMSが減る
  • 詐欺ターゲットからの離脱:身元情報を入手できなければ標的になりにくい
  • 住所の秘匿:ストーカー・嫌がらせ目的の住所特定を困難にする
  • クレジット情報の保護:情報露出が減ることでアイデンティティ盗難リスクが下がる

読者特典クーポンと価格

Incogniは個人プランと、本人+最大4人をカバーする家族プランを提供しています。Unlimitedプランでは標準的なデータブローカーに加えて、個人データを公開しているほぼ任意のサイトへのカスタム削除請求も可能で、専任のプライバシーエージェントが個別対応します(ただしSNS、政府記録、フォーラムは対象外)。

9to5Mac読者向けの特別価格は以下の通りです。

プラン価格
月額 Standard$16.58(約2,600円)
月額 Family$32.98(約5,100円)
年額 Standard$99.48(約1万5千円)
年額 Family$197.88(約3万円)
年額 Standard Unlimited$179.99(約2万8千円)
年額 Family Unlimited$359.88(約5万6千円)

決済時にクーポンコード「9TO5MAC」を入力することで上記の特別価格が適用されます。

米国の規制強化——PADFAAとSecure Data Actが変える業界構造

データブローカー業界をめぐる規制環境は、2026年に入って急速に厳格化しています。2026年2月9日、米連邦取引委員会(FTC)は13社のデータブローカーに対し、2024年に成立したPADFAA(外国敵対勢力からの米国人データ保護法)の遵守義務を確認する書簡を送付しました。同法は、北朝鮮・中国・ロシア・イランなどの外国敵対勢力に対して、健康・金融・遺伝・生体認証・位置情報・性的行動データや、社会保障番号・パスポート番号などの政府発行ID情報を販売・開示することを禁止しています。違反企業には1件あたり最大53,088ドルの民事制裁金が科される可能性があります。

包括的連邦プライバシー法案も浮上

2026年4月22日には下院エネルギー・商業委員会のプライバシー作業部会がSecure Data Actを提出し、消費者に対しアクセス権・訂正権・削除権・データポータビリティ権、さらにターゲティング広告と個人データ販売へのオプトアウト権を付与する枠組みが盛り込まれました。Incogniのようなサービスにとっては、法的根拠の拡大とブローカーへの圧力強化を意味する動きです。

Incogni本体の機能進化——監査と再収集対策

Incogniは規制強化の波に対応する形で、サービス自体も着実に拡張されています。2026年3月時点で、カスタム削除データベースは3,000以上のユニークドメインへと拡大されました。これにより元記事で触れられていたUnlimitedプランの守備範囲が大幅に広がっています。

項目内容
累計削除実績2025年中頃時点で2億4,500万件超
独立テスト結果Cybernewsの検証で4週間に40件の削除成功
自動再請求サイクルディレクトリ型60日・商用集約型90日ごと
第三者監査Deloitteによる独立保証評価を受けた初のデータ削除サービス

Incogniは「サプレッションリスト(再追加防止リスト)」を維持しており、削除後にブローカーのデータベースへ情報が再登録されることを防ぐ仕組みを備えています。また対応ブローカー数は420社以上にまで拡大しており、元記事掲載時点の「250社超」から増加していることが確認できます。対応地域も米国・カナダ・英国・スイス・EUに加え、ノルウェー・アイスランド・リヒテンシュタインが含まれます。

Q&A

Q. Incogniは具体的に何をしてくれるのですか? 250社を超えるデータブローカーに対し、ユーザーの代わりに個人情報の削除請求を自動送信します。GDPR・CCPA等の各国プライバシー法を根拠に交渉し、進捗をダッシュボードで確認できます。

Q. SNSや政府記録に載っている自分の情報も削除できますか? Unlimitedプランでは個人データを公開する多くのサイトに対するカスタム削除請求が可能ですが、SNSプラットフォーム、政府記録、フォーラムは対象外と明記されています。

Q. 日本在住でも使えますか? サービスが法的根拠として明示しているのはGDPR(EU)、CCPA(カリフォルニア)等で、対応地域として挙げられているのは米国・カナダ・英国・EU・スイスです。日本のデータブローカーに対する効果は公表情報の範囲では明らかになっていません。

出典