「車を停めた場所から1,000フィート以上ずれた別エリアにピンが表示された」——Android PoliceのJade Bryan氏がGoogle Find HubとXiaomi Tagを実機検証し、こうした精度面の課題を報告しています。さらに、トラッカーの所有権が他者によって変更され得る点もセキュリティ上の重大な欠陥として挙げられており、Appleの実装には及ばないと評されています。

Googleは2024年にFind My DeviceをFind Hubへと刷新し、クラウドソース型のBluetoothトラッキングをAndroid全体に拡張しました。Apple Find MyやSamsung SmartThingsと真っ向勝負できる体制が整ったかに見えましたが、Jade Bryan氏がXiaomi Tagを4個購入して長期間検証した結果、信頼して持ち物を預けるにはまだ重大な欠点が残っていると指摘しています。つまり、いまFind Hub対応タグを買ったAndroidユーザーは、紛失時に詳細な位置が掴めなかったり、トラッカーの所有権面でリスクを抱えたりする可能性があるということです。

Apple Find Myとの精度差——プライバシー優先設計が影響か

Jade Bryan氏が精度のばらつきの原因として挙げているのは、Googleがプライバシー保護のためにオフライン端末からの位置共有を「高トラフィックエリアでのみ集計」する初期設定にしていることです。ユーザー側でオフライン共有を完全に無効化することもでき、その配慮自体は評価できる一方、精度面では代償を伴うとされています。

実機テストでは、Xiaomi TagをGoogleネットワーク上に直接登録し、セルラー三角測量に対応した据え置き型GPSトラッカーと比較。混雑したショッピングモールの駐車場でテストしたところ、GPS側は車両を数メートル以内まで特定したのに対し、Xiaomi Tagは1,000フィート以上離れた別エリアを表示したといいます。

さらに別のXiaomi TagをApple Find Myに紐付け、同じ部屋に2つを並べて比較も実施。両者とも周辺Androidスマホが多数存在する環境にもかかわらず、Apple側が実際の位置から数メートル以内に収まったのに対し、Google側はより遠い位置を示しました。ピンが数メートルずれた状態ではUWB(ultra-wideband)による近接探索やサウンド再生に頼っても精緻な特定が難しいという課題が残ります。

盗難・改ざん対策の甘さ——トラッカーの所有権を奪われ得るとの指摘

セキュリティ面の指摘はさらに深刻です。Jade Bryan氏は、AppleのFind Myエコシステムでは他人のタグをペアリング解除することがほぼ不可能で、所有者がApple IDから明示的に解除しない限りタグはロックされたままで盗人にとって実質的に無価値になると評価しています。

一方、Xiaomi Tagについては、紐付けられた状態のままファクトリーリセットを試みたと報告されています(具体的な手順や移管先端末の詳細は公表されていません)。Jade Bryan氏は「Anyone can change ownership of your tracker(誰でもトラッカーの所有権を変更できてしまう)」と題して、トラッカーが盗難に遭った場合のセキュリティ機能の欠如を問題視しており、将来のアップデートでサードパーティ製タグにも同等のハードウェア改ざん対策を必須化してほしいと提言しています。

Find Hubに足りない機能——SmartThings/Find Myとの差分

3つ目の課題は機能面のギャップです。Xiaomi Tagは直接Googleネットワークに登録できる一方、MotorolaやChipoloなどは独自のコンパニオンアプリでカスタマイズや追加機能を提供しており、Jade Bryan氏自身は「このオープンな設計と柔軟性は気に入っている」と評価しています。Find Hubの新しいインターフェースについても「高速かつ分かりやすく、基本ツールが揃っている」と一定の評価をしている点は押さえておくべきでしょう。

機能面の不足が具体的にどの領域に及ぶかについては、公開されている情報では網羅的に整理されていないため、詳細は出典元を参照してください。

購入を検討するなら

Android用スマートタグを今すぐ導入したい場合、Find Hub標準の精度と安全性に妥協できない読者は、各メーカーのコンパニオンアプリで提供される独自機能をあわせて使う前提で選ぶのが現実的です。Googleが指摘された欠陥に踏み込んだ改善を入れるかどうかは、続報を待つのが妥当でしょう。

Find Hubの2026年アップデートで埋まりつつある精度ギャップ

精度面の課題が指摘される一方、Googleは2026年にFind Hub側の機能拡張を進めています。Motorolaが発表したMoto Tag 2は、Bluetooth 6.0で初めて市販されるトラッカーで、Channel Soundingというセンチメートル単位の距離測定機能を備え、UWB単体を超える精度を実現しています。バッテリー寿命は最大600日で、英国・欧州で展開され、米国でも第三者販売経由で入手可能となっています。

ネットワーク層の強化

  • 衛星接続対応: Androidデバイス圏外でも、トラッカーが衛星経由で位置pingを送出できるよう拡張されています
  • 航空会社連携: British Airways、Cathay Pacific、Iberia、Singapore Airlinesと提携し、ロストバゲージ追跡をFind Hubに統合しています
  • 位置通知: 共有相手が指定地点に到着・離脱した際のアラートが順次配信されています

サードパーティ製タグの所有権問題は残るものの、Google純正ネットワーク側の到達範囲は確実に広がっています。

Xiaomi Tag本体のスペックと価格設定が示す立ち位置

検証対象となったXiaomi Tagは、2026年2月28日にMWCバルセロナで正式発表され、グローバル展開が始まった製品です。価格は1個€17.99、4個パックで€59.99に設定されており、AndroidエコシステムにおけるAirTag対抗の選択肢として位置付けられています。

項目スペック
重量10g
厚さ7.2mm
電池CR2032(約1年稼働)
通信Bluetooth 5.4、NFC
UWB非対応
対応ネットワークApple Find My / Google Find Hub 両対応

筐体には金属リングが一体成型されており、キーリングに直接装着できる設計です。UWBを搭載しない一方で、iOS/Android両エコシステム対応をうたう点と€17.99からという価格設定が、コスト重視ユーザーにとっての差別化ポイントとなっています。発表の場としてMWCバルセロナを選んだことからも、グローバル市場での本格展開を狙う姿勢がうかがえます。

Q&A

Q. Find HubはAppleのFind Myより精度が低いのですか? Android Policeの実機テストでは、同じ部屋にApple側とGoogle側のタグを並べた比較でApple側が数メートル以内、Google側はそれより遠い位置を示しました。混雑した駐車場ではGoogle側が1,000フィート以上ずれた事例も報告されています。ただしGoogle側はプライバシー保護で位置集計を絞っている点が影響している可能性が指摘されています。

Q. Xiaomi Tagの盗難対策は何が問題なのですか? Jade Bryan氏のレポートでは、紐付けられた状態のタグでもファクトリーリセットを試行したとされています。AppleのFind Myエコシステムのように所有者解除なしではペアリング不能となる仕組みが、Find Hubエコシステム全体で標準化されていない点が課題として挙げられています。

Q. 代わりにSamsung SmartThings対応タグを選ぶべきですか? Jade Bryan氏自身、Find Hub登場前はSmartThings対応の第三者製Bluetoothトラッカーをバイク・車・財布や国内外の旅行用荷物に取り付けて運用していたと述べており、精度や機能の安定性を重視するユーザーにとっては有力な選択肢となり得ます。最終的な判断は、自分が紐付けたいデバイスとエコシステムの相性次第といえます。

出典