紙書類を1枚ずつシャッターを切る時代は終わりです。Android版Google Driveの新ドキュメントスキャナーは、カメラをかざすだけで複数ページを動画録画のように連続取り込みし、ピンボケや重複ページは自動で除去されます。対象はRAM 8GB以上のAndroid端末に限られ、それ未満の端末では今回の新機能は利用できません。9to5Googleが2026年5月29日に報じています。
ベータからの正式展開——ビーカーアイコンが消え、Material 3 Expressiveに
新しいドキュメントスキャナーは2025年中にテストが始まり、その後数か月にわたってベータとして提供されてきました。ベータ期間中はユーザーが旧スキャナーへ戻すオプションも用意されていたと報じられています。今回ロールアウトが本格化したことで、新しいスキャナー体験が広く利用できるようになります。
Android担当のSameer Samat氏がX上で共有したスクリーン録画では、右上にあった旧UIのビーカーアイコン(beaker icon)が廃止されていることが確認できます。新しいビューファインダーはMaterial 3 Expressiveのデザイン言語に揃えられ、撮影画面の見え方が一新されています。
動画録画感覚で複数ページを一気に——Smart Batch Scanning
今回の目玉機能がSmart Batch Scanningです。1ページずつシャッターを切るのではなく、書類の上にカメラをかざすだけで複数ページを連続的に取り込めます。9to5Googleは「個別の画像を撮影するというより、動画を録画する感覚に近い」と表現しています。
Sameer Samat氏の投稿によると、Smart Batch Scanningでは複数ページを一度にスキャンしたうえで、自動的にそれぞれ別のドキュメントへと分割される仕組みになっています(Scan multiple pages at once, automatically splits them into separate docs)。複数の書類をまとめてかざしても、後から手動で切り分ける必要が減らせる設計です。
撮り込まれたページのプレビューは画面下部にリアルタイムで表示されます。自動キャプチャを止めたいときは、シャッターボタン右側のポーズボタンで一時停止できます。一方の左側には端末標準のファイルピッカーが配置され、すでに撮影済みの画像をスキャン対象として呼び出すことも可能です。
そのほか、以下の2つのオンデバイス機能が新たに加わっています。
- Auto-Best Frame:ぼやけたスキャンを、入手可能な最も高品質なフレームと自動で差し替えます。Googleは「automatically swap out blurry scans for the highest-quality frame available」と説明しています。
- Duplicate Detection:すでに取り込み済みのページを自動で検出し、スキップします。
紙の書類を雑にカメラに通すだけでも、ピントの甘いコマと重複ページが裏側で取り除かれるため、後から手作業でやり直す手間が減ります。
8GB RAM以上が条件——オンデバイス処理で高速・オフライン対応・プライバシー保護
新スキャナーはオンデバイス処理を全面採用しており、Googleは「lightning-fast performance, offline availability, and total data privacy」と説明しています。クラウドに送らずに端末側で完結することで、高速性・オフライン動作・データプライバシーの3点を同時に実現します。
ただしその代償として、動作要件にはRAMが8GB以上のAndroid端末という条件が課されます。それより少ないメモリ構成の端末では今回の新機能は適用されません。手元の端末がエントリーモデルやミッドレンジ寄りの場合、対象外となる可能性がある点には注意が必要です。
機能の配信基盤はGoogle Play servicesが担っており、Google Drive本体だけでなくFiles by Googleなど他のGoogle製アプリでも同じスキャナー体験が利用できます。書類の取り込み起点がアプリごとに分かれていても、裏側のスキャナーは共通です。
撮り直し・重複削除・ページ分割が自動化——常用ツールに近づく紙のデジタル化
書類の取り込みは「数枚撮ってPDFに変換するだけでも面倒」というのがこれまでのモバイル体験でした。Smart Batch Scanningは、その煩わしさを大幅に削る方向の機能改善です。Auto-Best FrameとDuplicate Detection、そして複数ページを別ドキュメントへ自動分割する仕組みの組み合わせによって、撮り直しや重複削除、ページの仕分けといった後処理の負担が軽くなります。
対応端末を使っている場合は、ロールアウトが手元に届き次第すぐに試す価値のあるアップデートです。Google Drive・Files by Googleアプリのアップデート通知に注目しておくとよいでしょう。
Q&A
Q. どの端末で新しいスキャナーが使えますか? RAMが8GB以上搭載されたAndroid端末が対象です。これより少ないメモリ構成の端末では今回の新スキャナーは利用できません。
Q. Google Drive以外のアプリでも使えますか? 配信基盤がGoogle Play servicesのため、Google Drive本体に加えて、9to5GoogleはFiles by Googleでも同じスキャナー体験が利用できると報じています。それ以外のサードパーティアプリで利用できるかについては、現時点では明らかにされていません。
Q. 新スキャナーはクラウドに書類を送りますか? オンデバイス処理を採用しており、Googleは高速性・オフライン動作・データプライバシーの3点をメリットとして挙げています。クラウドにアップロードせずに端末内で処理が完結する仕組みです。