250万台のリコール、FAA(米国連邦航空局)が機内持ち込みを禁じたフラッグシップ、耐久性の課題で発売が延期された折りたたみスマホ——。SlashGearが2026年5月25日に公開した特集が、サムスンの歴史で「最悪」とされるスマートフォン8機種を選出しました。本稿では象徴的な4機種——Galaxy Note 7、初代Galaxy Fold、Galaxy J2(2016)、Samsung UpStage——にフォーカスして核心を整理します。
約$850のフラッグシップが「機内持ち込み禁止」に——Galaxy Note 7
2016年のサムスンはGalaxy S7とS7 Edgeで好調なスタートを切り、Galaxy Note 7も発売当初は「優れたディスプレイと有能なカメラ」を理由に肯定的なレビューを受けていたとされています。状況を一変させたのは、複数ユーザーから報告されたバッテリー発火の事象です。
SlashGearによれば、製造上の欠陥がバッテリーの過熱・短絡・燃焼を引き起こしたもので、BBCの報道に基づきサムスンは販売済みの250万台をリコールし、最終的に生産と販売を恒久的に停止しました。約$850(around $850/約13万円・為替概算)のフラッグシップが「ユーザーを危険にさらす端末」となり、FAAによる機内持ち込み禁止措置も取られました。
影響は後続機にも残りました。Galaxy Note 8はGalaxy S8+およびNote 7より小さい容量のバッテリーを搭載しており、SlashGearはこれを「サムスンがそれ以上のリスクを取りたくなかった」結果と位置づけています。
折りたたみディスプレイの耐久性が問題に——初代Galaxy Fold
Note 7ほどの社会的影響には及ばなかったものの、初代Galaxy Foldも「成功した発売とは言い難い」と評価されています。一部のレビュー機が、わずか1日で折りたたみディスプレイの破損を起こし、折りたたみディスプレイのクリース部分の下に何らかの異物(debris)が入り込んだことが原因とされ、画面が動作しなくなったと報じられています。
複数の媒体が同様の事象を報じたことを受け、サムスン自身も折りたたみスクリーンの耐久性に問題があったことを認めたと伝えられています。その後、Galaxy Foldの発売を9月に延期し、一般公開前に問題の修正に着手したとされます。サムスン初の折りたたみ端末ということもあり、量産前例のないジャンル特有の難しさが浮かび上がる事例となりました。
環境光センサーすら省いた廉価機——Galaxy J2(2016)
近年は廉価機でも価値の高い選択肢が増えていますが、2016年当時のGalaxy J2はその逆を行く一台でした。2015年の初代J2の後継として登場した2016年版は、5インチAMOLEDディスプレイと一定のバッテリー持続時間は評価されつつも、妥協点が目立つ仕様だったとされています。主な欠落仕様は次の通りです。
- 環境光センサー非搭載(自動輝度調整が使えない)
- NFC非対応
- 静電式タッチキーのハプティック非搭載
- ノイズキャンセリング用マイク非搭載
- 1.5GHzプロセッサ+1.5GB RAM(UI操作でも遅延、グラフィック負荷の高いゲームは事実上不可)
- 動画録画は720p止まり
同価格帯のMoto G4 Playは1080p撮影とNFCに対応し、バッテリー持続時間でも上回っていたため、比較の中で明確に見劣りしたとSlashGearは整理しています。
通話2.5時間・1.3MPカメラ・microSD 64MBの「両面端末」——Samsung UpStage
iPhone登場前後の2000年代後半、各社は通話・音楽再生・撮影を一台でこなす端末を競って投入していました。Samsung UpStageはその挑戦の一つで、表面に音楽プレーヤー用の大型ディスプレイと正方形のタッチパッド、裏面にT9キーパッドと小型のサブディスプレイを備えた両面設計が特徴です。
ただし楽曲検索のたびに端末を裏返し、ボタンを押して画面を切り替える必要があり、操作はシームレスとは言えませんでした。通話時間は2.5時間にとどまり、1.3MPカメラはフラッシュ非搭載で発色も精彩を欠き画像もややぼやけていたとされ、付属microSDも64MBと、音楽特化を打ち出した端末としては容量不足が際立つ構成です。
4機種に共通する「失敗の型」と中古購入時の判断軸
象徴的な4機種を並べると、失敗の理由はそれぞれ異なります。Note 7は重大なハードウェア不良、初代Foldは量産品質の見極め不足、J2は価格に対する仕様不足、UpStageはユーザー体験設計の難——共通項は「実験や価格戦略の判断ミスがユーザー体験を直接損なった」点です。
中古購入を検討する読者への判断軸を整理します。
- Galaxy Note 7: バッテリー発火は製造上の欠陥に起因し、生産・販売は恒久的に停止された経緯があります。安全面・規制面いずれも実用利用は推奨できません。
- 初代Galaxy Fold: 耐久性の課題が公式に認められた機種であり、長期常用前提では現行Z Foldシリーズ等の方が安心材料が多いと判断できます。
- Galaxy J2/UpStage: 当時の体験を確認する目的であれば可ですが、現代の日常利用基準では1.5GHz/1.5GB RAMや2.5時間の通話時間、1.3MPカメラ、64MB microSDといったスペック面で明確に力不足です。
Q&A
Q. Note 7の生産停止後、サムスンはNoteシリーズをどう立て直したのですか? 直後のGalaxy Note 8では、Galaxy S8+およびNote 7より小さい容量のバッテリーを搭載する設計に切り替えています。SlashGearはこれを「サムスンがそれ以上のリスクを取りたくなかった証拠」と位置づけており、安全側に倒した設計判断によってシリーズ継続が可能になった経緯がうかがえます。
Q. 初代Galaxy Foldの耐久性問題について、サムスンはどのように対応したのですか? 公開情報の範囲では、複数の媒体が同様の故障を報じたことを受けて、サムスン自身が折りたたみスクリーンの耐久性に問題があったことを認めたとされています。その後、発売を9月に延期して問題の修正にあたったと伝えられており、量産前に把握しきれていなかった部分があったことを示す対応と読み取れます。事前検証の詳細な経緯は明らかにされていません。
Q. 中古でGalaxy Note 7を実用利用することは現実的ですか? 生産・販売は恒久的に停止された経緯があり、FAAによる機内持ち込み禁止措置も取られました。発火リスクは製造上の欠陥に起因するため、年月の経過で解消するものではなく、安全面・規制面いずれの観点からも実用利用は推奨されません。