スマホを家に置いてランニングへ──そんな自由を支えるはずのYouTube Musicが、Wear OS上で「1曲目で止まる」という致命的な症状を見せています。ダウンロード済みのプレイリストを再生しても最初の1曲で停止し、次の曲へ進めなくなる不具合が、Pixel WatchおよびGalaxy Watchのユーザーから複数報告されています。

プレイリストが1曲で終わる──キュー操作も不能に

報告されている症状はシンプルですが、ユーザー体験としては致命的です。プレイリストをスマートウォッチに丸ごとダウンロードしても、再生されるのは最初の1曲のみ。曲が終わると再生は止まり、プレーヤー画面の「次へ」ボタンや「その他」ボタンがグレーアウトし、キュー内の別のトラックに切り替える手段がなくなると報じられています。

Redditユーザーのgimmick92氏の投稿によると、Pixel Watch 4でアプリのキャッシュとデータの消去、本体の再起動を試したところ一時的には改善するものの、数セッションのうちに同じ症状が再発するとのことです。同じスレッドではrawkinrich氏、cocojesvs氏も同様の経験を共有しており、Android Authorityにも読者からのメール報告が寄せられたと伝えられています。

影響を受けるモデルと再現性

これまでに名前が挙がっているデバイスは以下の通りです。

  • Pixel Watch(Pixel Watch 4を含む)
  • Galaxy Watch シリーズ

ただし全Wear OSユーザーで再現するわけではないようです。Android AuthorityのTushar Mehta氏が自身のSamsung Galaxy Watch Ultraで検証したところ、現時点では症状を再現できていないとしています。つまり、特定の条件下でのみ発生する可能性が高いものの、根本原因は明らかになっていません。

スマホを置いてランニングや登山に出かけ、ウォッチ単体で音楽を楽しもうとしたタイミングでこの不具合に遭遇すると、回避手段がほぼないという点が特に厄介です。

1か月以上放置、Issue Trackerにも該当スレッドなし

Redditの投稿のタイムスタンプから判断すると、この問題は1か月以上前から発生しているとされますが、Googleが対応に動いた形跡は確認されていません。Google Issue Tracker上にも関連するスレッドは見当たらないため、Google自身が問題を把握していない可能性があると報じられています。

Android AuthorityはGoogleに対して問い合わせを行っており、回答が得られ次第アップデートするとしています。現時点で恒久的な解決策はなく、Googleの対応待ちという状況です。

一時的な対処として、アプリのキャッシュ・データ消去や本体の再起動で改善する場合がありますが、再発するため根本的な解決にはなりません。Wear OSでオフライン再生を多用するユーザーは、ランニングや外出時にスマートフォンを完全に置いていく前に、いったん動作確認をしてから出かけるのが無難でしょう。

Wear OS版YouTube Musicに進むMaterial 3 Expressive刷新

不具合報告と並行して、Wear OS版YouTube Musicでは見た目の刷新が段階的に進んでいます。YouTube MusicのWear OS版は、GoogleのMaterial 3 Expressive要素を取り入れた新しいビジュアルへとリフレッシュされつつあります。

適用範囲はまだ部分的

再設計はWear OSのタイルやその他いくつかの要素で適用が始まっていますが、プレーヤー画面のインターフェイスは依然として旧デザインのままとなっています。プレーヤーメニューに旧UIが残っている点から、Googleがロールアウトの途中にあるか、アプリの更新を部分的にしか公開していない可能性が示唆されています。Wear OS 6を搭載するPixel Watch 4にはExpressiveデザインが採用されており、視覚的な統一感が一段と高まっています。一方でSamMobileによれば、新UIはWear OS 6を実行する端末のみに限定されているわけではないとされ、Galaxy Watch側のユーザーにも順次広がる見込みです。再生キュー周りの不具合と直接の因果関係は明らかではありませんが、UI再設計の途中段階にあること自体は、本記事で扱った挙動を理解するうえでの背景情報となります。

Wear OS 6.1とPixel Watch向けアップデートの動向

ウォッチ側のプラットフォームでも更新が続いています。GoogleはAndroid 16 QPR2をベースとするWear OS 6.1を公開しており、Pixel Watchには2025年12月時点ですでに配信されています。Wear OS 6.1では、物理的な位置情報に基づいて自動でタイムゾーンを設定する機能が追加されています。

時期内容
2025年12月Pixel WatchへWear OS 6.1配信済み
2026年3月Pixel Drop配信

2026年3月のPixel Dropでは、Pixel Watch 4で先行していた衛星SOSがカナダ・欧州・アラスカ・ハワイへ拡大しています。あわせてPixel Watch 2以降を対象に、単独で動作する地震警報が追加されました。さらにPixel Watch 4で導入された手首をひねる・ダブルピンチといった片手ジェスチャー操作は、Pixel Watch 3にも拡大しています。今回取り上げたYouTube Musicの不具合と直接結びつくアップデートは確認されていませんが、Wear OS本体およびPixel Watch向け機能は世代を超えて拡張が続いている状況です。

Q&A

Q. すべてのPixel Watch・Galaxy Watchで発生しますか? いいえ、全ユーザーで再現するわけではないようです。Android AuthorityのTushar Mehta氏がGalaxy Watch Ultraで検証した際は再現しなかったと述べており、特定の条件下でのみ発生している可能性が指摘されています。

Q. ストリーミング再生でも同じ症状は起こりますか? ソース記事で言及されているのはダウンロード済みプレイリストの再生に関する不具合で、ストリーミング再生時の挙動については明示されていません。詳細は出典元を参照してください。

Q. 暫定的な対処法はありますか? 報告では、アプリのキャッシュとデータの消去、ウォッチ本体の再起動で一時的に改善するケースがあるとされています。ただし数セッションのうちに再発するため、恒久的な解決策ではありません。

出典