WhatsAppのiOS版で進むLiquid Glass化が、ベータテスターですらまだ触れない領域にまで広がっています。最新のTestFlightビルドからは、メッセージリアクションのトレイと、メッセージ長押しで開くコンテキストメニューの刷新作業が確認されました。WABetaInfoが未公開UIを独自に有効化してスクリーンショットを公開しており、リアクショントレイは現状の「硬質で不透明」な見た目から、Liquid Glass特有の透明感とぼかしを伴うUIへと変わる方向であることが分かります。
TestFlightで見えた新デザインの対象範囲
WABetaInfoによると、今回新たにLiquid Glass化が進められているのは、メッセージに対する絵文字リアクションを選ぶトレイと、メッセージ長押しで表示されるコンテキストメニューの2か所です。同サイトは未公開状態のUIを独自に有効化し、スクリーンショットを公開しています。
現状の課題として指摘されているのは次の点です。
- リアクショントレイは現時点で「より硬質で不透明」な見た目になっており、Liquid Glass化が進んだ他要素から浮いている
- メッセージ用コンテキストメニューは透明感が限定的で、すでに刷新済みのチャットリスト用コンテキストメニューと比べて一貫性に欠ける
つまり、アプリ内でLiquid Glass化された部分と従来デザインのままの部分が混在しており、視覚的な統一感を取り戻すための作業が今回のベータで進められているという位置づけです。ユーザー視点では、リアクションを選ぶ際のポップアップやメッセージ操作メニューが、背景に透けるぼかしと光沢感のあるガラス調表現に置き換わり、iOS 26全体のデザイン言語に馴染んだ印象に変わると考えられます。
公開テストは伸び悩む一方、開発ビルドは加速
Metaは昨年、iOS 26リリースに合わせて、WhatsApp公式アプリのボトムナビゲーションバーとChatsタブの一部要素にLiquid Glassデザインを適用する小規模なテストを開始しました。
このロールアウトについてWABetaInfoは、2025年10月8日付の投稿で次のように伝えています。
ただし、この公開テストは現在も極めて限定的で、大半のユーザーは旧デザインのままです。一方、TestFlight側では作業が継続しており、直近では以下のような領域へのLiquid Glass適用が確認されてきました。
- ボイスメッセージプレーヤーの刷新
- チャット画面内インターフェースの刷新
- そして今回の、リアクション・コンテキストメニューの刷新
公開テストが伸び悩む裏で、開発ビルドでは着実に「Liquid Glass化される領域」が増えている形です。
正式提供は未定——それでも積み上がる「兆候」
今回確認された変更は、TestFlightビルド上でもベータテスターにはまだ有効化されておらず、App Store版にいつ届くかも公表されていません。9to5Macは、ベータビルドにLiquid Glass関連の参照が継続的に追加されている事実から、Metaがリデザインに本腰を入れて取り組んでおり、正式提供がそれほど遠くない可能性があると見立てています。
WhatsAppをiPhoneでメインのメッセンジャーとして使っているユーザーにとっては、iOS 26全体のデザイン言語に揃ったUIが体験できるようになる方向に進んでいると言えます。ただし現時点では、ベータの段階でも触れない要素が含まれており、慌てて公開ビルドの設定を弄る必要はありません。続報を待つのが妥当な段階です。
公開ビルド側でも進む安定版ロールアウト:26.14.76とBusiness版の現在地
TestFlightの動きだけでなく、App Storeで配布される安定版側でも段階的に対応領域が広がっています。最新のWhatsApp for iOS 26.14.76のリリースを契機に、Liquid Glassデザイン言語が広範に展開され始めていることが確認されています。さらに26.5.77アップデートではWhatsApp Business側でもLiquid Glassインターフェースが部分的に有効化され、一部の事業者アカウントが標準アプリと一貫したデザインを享受できるようになりました。
ユーザーが自分のアカウントで有効化されているかを判断する目安も示されています。
- タブバーがLiquid Glass有効化の主要な判定ポイントで、有効時はインターフェース上に浮かんでいるように見える刷新された外観に変わります
- 最新版インストール後にタブバーがこの新しいスタイルにならない場合、そのアカウントではまだLiquid Glassが利用できないことを意味します
ロールアウトが顕著に遅い理由は公式には明らかにされていませんが、WhatsAppがパフォーマンスとユーザーフィードバックを監視しながら拡大判断をしている可能性が指摘されています。
iOS 26全体の採用状況とサードパーティ動向:WhatsAppが急がない背景
WhatsAppがLiquid Glass化を「慎重に」進めている背景には、iOS 26そのものを取り巻く環境があります。iOS 26のLiquid Glassは透明感と層状の奥行きを特徴とする、iOS 7以来初の大刷新と位置づけられるデザイン言語です。一方で、その採用率は45%にとどまり、Apple史上最低水準に落ち込んだとの分析もあります。
サードパーティの追随状況をまとめると次のとおりです。
| 区分 | 状況 |
|---|---|
| Apple公式紹介事例 | Apple公式のDesign GalleryでAllTrails、Fantastical、Kroger、Trelloといった他社アプリが採用例として紹介されています |
| 開発者ポリシー | Liquid Glass対応は現状必須ではなく、開発者にはオプトアウトが用意されています |
| WhatsAppの位置づけ | 安定版とTestFlight双方で段階的に領域を広げており、急がず慎重に切り替えを進めています |
オプトアウトが認められている以上、Metaが個別UIを丁寧に検証しながら段階的に切り替える判断には合理性があると言えます。
Q&A
Q. 一般ユーザーが設定や裏技で今すぐ新しいリアクションUIを試す方法はありますか? 現時点ではありません。新しいリアクショントレイとコンテキストメニューはTestFlightビルドに含まれているものの、ベータテスターでもデフォルトでは有効化されていません。WABetaInfoが内部フラグを独自に切り替えて挙動を確認した段階であり、App Storeの公開版・通常のTestFlightベータ・アプリ内設定のいずれからも有効化はできない状態です。
Q. すでに公開テストとして提供されているLiquid Glass対応UIなら使えますか? 昨年のiOS 26リリース後に始まった、ボトムナビゲーションバーやChatsタブの一部要素を対象とする公開テストは現在も非常に限定的で、大半のユーザーには配信されていません。アップデートを当てたからといって必ず切り替わるわけではないため、現状は「当たればラッキー」程度に捉えるのが現実的です。
Q. 正式提供はいつになりそうですか? 具体的な時期はMetaから公表されていません。ただし、ベータビルドにLiquid Glass関連の変更が継続的に追加されている点から、9to5Macは正式ロールアウトがそれほど遠くない可能性があると見立てています。
出典
- 9to5Mac — WhatsApp beta previews Liquid Glass changes for message reactions, more
- WABetaInfo — WhatsApp is widely rolling out the Liquid Glass interface
- Wikipedia — iOS 26