Motorolaが投入した初のブック型折りたたみスマホ「Razr Fold」を、Android AuthorityのBrady Snyder氏が7日間メインスマホとして使用したレビューを公開しました。Snyder氏が最大の驚きとして挙げたのは、他社折りたたみでは再現できなかった「分割画面モードで開きますか?」という提案ポップアップでした。スペックシートには現れない、このマルチタスク誘導こそが本機の最大の強みだとSnyder氏は評価しています。
スペック上の懸念をひっくり返した「マルチタスク誘導」
Snyder氏によれば、Razr Foldのハードウェアには魅力点と懸念点の両面があります。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 魅力点 | 大型のメインディスプレイ/アクティブスタイラス対応/大容量シリコンカーボンバッテリー |
| 懸念点 | 重量/Snapdragon 8 Eliteではない非Elite構成のチップ/防塵防滴等級 |
Snyder氏はこれらのハードウェア要素が評価を左右すると予想していたものの、実際に7日間使ってみると、印象を決定づけたのはOSがユーザーをマルチタスクへ自然に誘導する仕組みだったと述べています。
- 2つのアプリ間を数回スワイプすると「分割画面モードで開きますか?」というポップアップが表示される
- タップ一発で直近の2アプリが50:50の分割画面で立ち上がる
- 中央のスライダーをドラッグすれば90:10分割にも素早く切り替え可能
- GmailやGoogle Messagesでリンクをタップすると、Chromeが自動で分割画面の片側に開く
Snyder氏によれば、Pixel 9 Pro FoldやGalaxy Z Fold 7でこの「分割表示の提案ポップアップ」を再現することはできなかったとのこと。Galaxy系折りたたみは、メールアプリ内のリンク自動分割表示にも対応していないと指摘しています。
大型折りたたみを何日も、何週間も使いながら、マルチタスク機能を一度も使わないことは驚くほど簡単に起きてしまう。Razr Foldはその習慣を変えてくれる。
タスクバーのアプリドロワーもPixel・Galaxyより省スペースで、使用中アプリを覆い隠さない設計。アプリスイッチャーには各アプリに分割画面ボタンが直接表示され、SamsungやGoogleがサブメニュー内に隠している操作を1タップでこなせる点も評価されています。
非Eliteでも実用は十分との評価
「非Elite」という点で懸念されていたチップ性能ですが、実使用では問題なかったとSnyder氏は述べています。記事執筆、音楽再生、動画視聴、ゲームのいずれでももたつきは感じられなかったといいます。
Snyder氏のレビューによれば、ベンチマーク上はPixel 10 Pro Fold(Tensor G5)よりは上、Galaxy Z Fold 7(Snapdragon 8 Elite)よりは下という、ちょうど中間に位置する結果になったとのことです。具体的なスコアや構成の詳細は出典元を参照してください。
バッテリー持ちは「丸一日切れない」
シリコンカーボン採用の大容量バッテリーは、メインディスプレイの使用頻度に左右されがちな折りたたみでも、1日で電池切れになることはなかったといいます。有線急速充電にも対応し、Galaxy Z Fold 7で感じたバッテリー消費の早さという不満点を解消した格好です。
カメラは望遠が好印象
リアカメラはトリプル構成です。Snyder氏のレビューでは以下の特徴が挙げられています。
- メイン:Sony LYTIAセンサー採用(Galaxy Z Fold 7と比較すると画素数は低いが、ピクセルサイズが大きい設計)
- 超広角:広視野角に対応
- 望遠:光学ズーム対応
望遠カメラは光学ズーム範囲を超えても細部のディテールが優秀だったとSnyder氏は評価する一方、ズーム倍率を上げると色味が変化する傾向もあったとのこと。高画素撮影と、ピクセルビニング撮影の切り替えにも対応します。
セルフィーカメラは2基ありますが性能差があり、メインディスプレイ側とカバー画面側で画素数が異なります。Snyder氏はビデオ通話を重視した配置かと推測しつつ、本人はリアカメラでのセルフィー撮影を好むため出番は少ないとしています。
完璧ではないが「開きたくなる」久々の折りたたみ
Snyder氏はRazr Foldの欠点として、重量と、カメラバンプの大きさによるトップヘビーな重心を挙げています。それでも、Galaxy Z Fold 7のような薄さ・性能と、Pixel系折りたたみのようなソフトウェア・バッテリー持続性の両方を取り込んだ存在として、強力な対抗馬になり得ると結論づけています。
購入を検討する場合のポイントは、「マルチタスクを本気で使い倒したいか」「大容量バッテリーの安心感を取るか」という2点に集約されそうです。逆に、薄さ・軽さ最優先ならGalaxy Z Fold 7という選択肢が、Snyder氏のレビューからは読み取れます。
価格・発売日と競合との立ち位置:$1,899は「中間ポジション」
レビュー本編では製品の使い心地が中心でしたが、購入判断には価格と発売タイミングも重要です。Motorolaは米国でのRazr Foldの価格を$1,899に確定し、予約はMotorola公式サイトとBest Buyで開始される運びとなっています。正式販売は5月21日からで、対応スタイラスのMoto Pen Ultra(単体$99)も同時に投入されます。
主要book型折りたたみの米国価格比較
| 機種 | 米国価格 |
|---|---|
| Google Pixel 10 Pro Fold | $1,799 |
| Motorola Razr Fold | $1,899 |
| Samsung Galaxy Z Fold 7 | $1,999 |
Galaxy Z Fold 7は$1,999、Pixel 10 Pro Foldは$1,799であり、Razr Foldは2大ライバルのちょうど中間に位置しています。欧州での展開も進んでおり、欧州では€1,999から、英国では£1,799.99から販売されます。なおRazr FoldはDXOMARK Goldを獲得しており、低照度性能や動画の滑らかさが評価されています。
2026年の折りたたみ市場:book型シフトとApple参入というマクロ動向
Razr Foldの投入時期は、折りたたみ市場が大きく転換する局面と重なっています。IDCは2026年の折りたたみ出荷を前年比30%増と予測しており、これは直前予測の6%から大幅な上方修正となっています。Omdiaに至っては2026年に50%増という強気のシナリオを示しています。
形状トレンドもbook型優勢に傾いており、Counterpointの調査によればbook型は2025年に市場の52%を占めましたが、2026年末には65%まで拡大する見込みです。市場構造を変える要素として注目すべきは以下の点です。
- Samsungは2026年初頭にGalaxy Z Trifoldを投入し、3つ折り革新を主流市場に持ち込みました
- Appleは年末に初の折りたたみiPhoneを投入予定で、想定平均価格$2,400ながら初年度に台数で22%超、市場価値の34%を握ると予測されています
- HuaweiのHarmonyOS Next搭載折りたたみも2026年に出荷台数がほぼ倍増する見通しです
Razr Foldは、競争が一気に激化する2026年の市場でMotorolaがbook型の存在感を確立できるかを占う一台と言えます。
Q&A
Q. どんな人におすすめ? Snyder氏のレビューを踏まえると、メールやメッセージから別アプリへ頻繁に切り替える人、複数アプリを並べて作業したい人に向いています。OSが分割画面を自動提案するため、これまで折りたたみのマルチタスク機能を使いこなせなかった人ほど恩恵を実感しやすい構成です。
Q. マルチタスクをあまり使わない人でも買う価値はある? マルチタスク誘導が刺さらない場合は本機の最大の強みを活かしきれません。大画面とバッテリー持ちには魅力がありますが、重量とトップヘビーな重心も指摘されているため、薄さ・軽さ優先ならGalaxy Z Fold 7が比較対象になります。
Q. 弱点はどこ? 重量と、大きなカメラバンプによるトップヘビーな重心が指摘されています。Snapdragon 8 Eliteを採用するGalaxy Z Fold 7と比較すると、純粋なベンチマーク性能では及びません。
出典
- Android Authority — I spent 7 days with the Motorola Razr Fold, and it does one thing better than every other foldable
- 9to5Google — Motorola launches the Razr Fold for $1,899, confirms release date
- Android Headlines — Motorola Razr Fold 2026 Price