2026年5月時点で、Logitechの公式サイトに掲載されているHarmonyユニバーサルリモコンは、わずか2製品のみ。しかも、そのいずれもサイトから直接購入することはできません。ホームシアターの定番アクセサリーだった「Harmony」シリーズですが、同社はすでに2021年に製造を終了しています。Talia Roepel氏による2026年5月16日付の記事が、当時の経緯と既存ユーザーへの影響を整理しています。

公式サイトに残るHarmonyはわずか2つ、しかも購入不可

Logitechは2021年、Harmonyブランドのユニバーサルリモコンの製造を打ち切りました。背景にあるのは「現在の利用者は、もはやユニバーサルリモコンを必要としていないだろう」という同社の判断です。

製造終了後もしばらく他の小売チャネルではHarmony製品が流通していましたが、Logitech自身は新規生産を停止しました。2026年5月時点でLogitechのウェブサイトに掲載されているHarmony製品は、以下の2つに限られています。

  • Harmony Pro
  • Harmony One Battery Door

しかも、これら2製品も同社サイトから直接購入することはできない状態です。

既存ユーザーへのサポートは継続中

製造終了が発表された当時、Harmonyを愛用してきたユーザーからは「リモコンが使えなくなるのではないか」という不安の声が上がったと報じられています。これに対し、Logitechは既存製品のサポートを継続する方針を取っています。

具体的には、以下が引き続き利用可能とされています。

  • Harmonyリモコン本体の動作サポート
  • 設定用のデスクトップソフトウェア
  • Android/iOS版のHarmonyアプリ

つまり、すでにHarmonyを使っているユーザーは今日でも問題なく利用を続けられるという状況です。ただし、新製品が市場に投入されることはなく、買い替え需要には応えられません。

スマートTV・アプリ・音声——リモコンを駆逐した3つの波

Logitechが製造終了を決断した背景には、家電とエンタメ機器の操作方法の変化があります。スマートTVの普及、ストリーミングアプリの一般化、スマートフォンによる機器制御の浸透により、複数のリモコンを1台にまとめるという従来型ユニバーサルリモコンの価値は薄れてきました。

最近のテレビ付属リモコンは、BluetoothやWi-Fi経由で他機器を操作する機能を備えるケースも増えています。さらに、Apple Homeのようなアプリを使えば、互換性のあるテレビの電源・音量、映画再生、照明の調光まで、スマートフォン1台で操作できます。指定した時刻に機器のオン/オフを切り替えるオートメーション設定も可能です。

スマートデバイス時代においては、ユニバーサルリモコンが不要になる可能性があり、テレビのリモコンをアプリで置き換えることもあり得る——記事はこのように指摘し、操作の主役がハードウェアリモコンからアプリ・音声操作へと移りつつあるとの見方を示しています。

それでも今、ユニバーサルリモコンが活きる現場

一方で、ユニバーサルリモコンが完全に役目を終えたわけではない、という見方も示されています。スマート機器を導入していない環境や、昔ながらの操作感を好むユーザーにとっては、依然として有効な選択肢になり得ると指摘されています。

特に、自宅にホームシアタールームを構え、テレビ・A/Vレシーバー・サラウンドスピーカーなど多数の機器を組み合わせている場合、すべての付属リモコンを使い分けるのは手間がかかります。1台にまとめられるユニバーサルリモコンは、こうした環境では今でも実用的です。

技術的には、ユニバーサルリモコンは内蔵のIR(赤外線)、Bluetooth、Wi-Fiを使って各機器を制御できます。さらに、テレビなどを介したHDMI-CECにも対応しており、Wi-Fi電波が弱い/届かない環境でも動作可能という強みがあります。スマートデバイス中心の操作が難しい場面では、依然として有力な選択肢となります。

なお、Harmony Proのような上位モデルは、設定が専門業者によるインストールに限定されている点も触れられています。

既存Harmonyユーザーが今やるべきこと

すでにHarmonyを使っているなら、当面はサポート継続のメリットを活かして使い続けるのが妥当な判断です。ただし、新品の供給が事実上止まっているため、故障や紛失に備えて、2026年時点で入手可能な他社製ユニバーサルリモコンへの乗り換えや、Apple Homeなどスマートホームアプリ+スマートTVリモコンを中心とした操作環境への移行を、早めに検討しておくのが現実的でしょう。

Harmonyの後継候補として登場した「SofaBaton X2」

Harmony製造終了後の空白を埋める新製品として、複数のレビューで「最も近い後継機」と評されているのがSofaBaton X2です。SofaBaton X2は2025年11月28日に発売され、定価は379ドル、ローンチ時にはセール価格329ドルで提供されました。

主な特徴

  • 2.4インチHDカラータッチスクリーンを搭載し、デバイス一覧やアクティビティを直感的に操作できます
  • IR・Bluetooth・Wi-Fiを統合し、付属のIRブラスターを使えばキャビネット内に隠した機器も視線を確保せず操作可能です
  • Sonos、Roku、Philips Hueをリモコンから直接制御でき、Alexa/Google Homeとも連携します
  • Matterのユニバーサルスイッチ機能サポートも予告されています

タッチスクリーンと無線統合により、Harmonyに近い「1台で家庭内AV機器をまとめる」体験を再現しつつ、SonosやHueなどスマートホーム機器との直接連携を強化しているのが特徴です。Matter対応が実現すれば、より幅広いスマート機器を横断的に扱える可能性があります。

中古Harmonyと他社代替機――2026年時点の入手ルート

新品供給が止まった現在、Harmony本体を確保するには中古市場を頼ることになりますが、状況は厳しさを増しています。Elite、950、Companion、HubといったキーモデルはAmazonで第三者経由で依然として入手可能ですが、希少性から価格が上昇しています。中古/再生品でない限り割高になりやすく、公式サポートも事実上期待できない状態です。

代替候補として挙げられている主な選択肢は以下の通りです。

製品主な特徴
BroadLink RM4 Pro5万以上のIR機器および433MHz RF機器に対応し、アプリ・音声制御にも対応しています
Amazon Fire TV CubeAlexa統合のハブを兼ねるユニバーサルリモコン代替として候補に挙げられています

物理リモコンへの固執がなければ、Alexa統合型のFire TV Cubeや、アプリ・音声中心で広範な機器に対応するBroadLink RM4 Proが現実的な乗り換え先となります。中古Harmonyの確保にこだわるか、新しいエコシステムへ移行するかが選択の分岐点となっています。

Q&A

Q. 自分のHarmonyが壊れたら、もう同型のものは手に入りませんか? Logitech公式サイトでは新規購入できず、同社による新規生産も停止しています。他の小売チャネルで在庫が残っている場合はありますが、長期的には他社製ユニバーサルリモコンや、スマートホームアプリ+スマートTVリモコンを軸とした構成への移行を視野に入れる必要があります。

Q. 今持っているHarmonyリモコンはまだ使えますか? はい。2026年5月時点でも、Logitechはリモコン本体、デスクトップ用設定ソフト、Android/iOS向けのHarmonyアプリのサポートを継続しています。新品の生産はされていませんが、既存機は引き続き動作します。

Q. スマートホームアプリでユニバーサルリモコンは完全に代替できますか? 多くのスマート機器中心の環境では代替可能ですが、Wi-Fiが届きにくい部屋やスマート非対応のオーディオ機器が含まれる構成では、IRやHDMI-CECに対応する物理リモコンの方が確実なケースがあります。

出典