Cyberpunk 2077で平均PCレイテンシが36.01msから16.31msへと半分以下に短縮された——XDA Developersが4K環境で実施した検証は、「FPSは高ければ高いほどよい」という常識を揺さぶる結果になりました。フレームレートに上限を設けた方が遅延が下がり、体感も明確に向上したと報告されています。平均FPSという数字を追うことが、必ずしも快適なプレイ体験につながらないことを示す内容です。

3タイトル4Kテストで一貫していた「キャップありの方が低遅延」

XDA Developersが4K解像度でCyberpunk 2077・Counter-Strike 2・Battlefield 6の3タイトルを比較したところ、上限なしと上限ありを切り替えると、画面上の平均FPSが下がってもPCレイテンシ(入力から画面反映までの時間)はキャップ時の方が短くなる傾向が一貫して確認されました。

GPUが描画できるだけのフレームをレンダリングすると、その多くが表示待ちのキューに溜まり、モニターに届く頃には実際のゲーム状態とずれが生じます。キャップを設けることでこのパイプラインが短縮され、表示されるフレームがリアルタイムに近づく、というのが報告されている原理です。

筆者のTy Sherback氏はセミプロのCounter-Strikeを8年間プレイしてきた人物で、周辺機器・体感差に対する感度の高さも踏まえた評価となっています。

Counter-Strike 2では57%超の遅延削減——リミッター実装で結果が激変

各タイトルで計測されたPCレイテンシは以下のとおりです。

タイトル上限なしゲーム内キャップNvidia Appキャップ
Cyberpunk 2077(60FPSキャップ/ゲーム内ベンチマーク)36.01ms16.31ms20.37ms
Battlefield 6(100FPSキャップ/Blackwell Fields・Overkillプリセット)10.83ms8.15ms8.95ms
Counter-Strike 2(240FPSキャップ/de_ancientトレーニングシナリオ)13.66ms13.91ms5.89ms

Cyberpunk 2077の上限なしは平均73FPSと数字こそ立派ですが、フレームタイムのばらつきが大きく、非競技タイトルでも体感の悪さに直結したと記されています。

特に注目すべきはCounter-Strike 2です。ゲーム内リミッターでは遅延がほぼ変わらなかったのに対し、Nvidia Appのキャップでは5.89msまで圧縮され、57%超の削減が記録されました。同じ「240FPSで止める」という指示でも、リミッターの実装によって結果が大きく異なる点は、競技系FPSプレイヤーにとって見逃せない結論です。

自分のPC環境に合うキャップの決め方

設定の指針はシンプルです。

  • GPUがモニターのリフレッシュレートを常時超えるゲームでは、リフレッシュレートと同等か少し下にキャップを置く
  • 平均FPSがリフレッシュレートに届かない場合は、通常プレイ時の平均FPSをやや下回る値に設定する

後者は、GPUがピークと谷を繰り返してフレームタイムスパイクを生むことを防ぐ目的があります。どのリミッターを使うかは一律の正解がなく、ゲームごとにゲーム内とNvidia Appの両方を試すことが、Cyberpunkではゲーム内キャップが最良だった一方、Counter-Strike 2ではNvidia App側に大差をつけられた事例から読み取れます。検証結果はタイトルごとに大きくばらつくため、自分の環境での比較が現実的な近道となります。

上限なしが正解になるケース

すべての状況でキャップが優位というわけではありません。VRR(G-SyncやFreeSync)は表示の滑らかさを改善しますが、レンダーキューの遅延そのものを自動的に解消するわけではないとされています。多くのセットアップではリフレッシュレートから数FPS下げたキャップが推奨される一方、競技志向のプレイヤーは上限なしやReflexベースの挙動を好むケースもあると伝えられています。具体的にどのリフレッシュレートを超えればキャップ不要かといった閾値は公表されていませんが、検証ではキャップ運用が3タイトル一貫して体感改善につながったため、まずはキャップを試すのが妥当な出発点になります。

キャップ運用は数秒で試せる即効策

PCゲームの体感は、平均FPSだけでは測れません。上限を一段下げるだけで遅延とフレームタイムの両方が改善する例が今回の3タイトル比較で確認されており、設定に要する時間はわずか数秒です。新しいGPUを買う前に、まずは手持ち環境でゲーム内キャップとNvidia Appキャップの双方を試し、自分の体感差を裏付けるのが現実的なアプローチです。手元の設定で完結する話なので、競技系FPSをプレイする環境では即座に試す価値のあるチューニングとなります。

Q&A

Q. FPSキャップを設定すると平均FPSは下がりますが、本当に体感は良くなるのですか? 今回の検証では、3タイトルすべてで上限ありの方がPCレイテンシが短くなり、Cyberpunk 2077では36.01msから16.31msへと半分以下に圧縮されました。画面の数値より、入力に対する反応の鋭さやフレームタイムの安定が体感を左右するという結論です。

Q. ゲーム内リミッターとNvidia Appのキャップ、どちらを使うべき? ゲームによって最適解が異なります。Counter-Strike 2ではNvidia Appキャップが5.89msと圧倒的に低遅延だった一方、Cyberpunk 2077ではゲーム内キャップが最良の結果でした。両方を試して比較するのが推奨される手順です。

Q. G-SyncやFreeSyncを使っていてもキャップは必要ですか? VRRは表示のティアリングや滑らかさには有効ですが、レンダーキューによる遅延を自動的に解消するものではないとされています。同一の240FPS指示でもリミッター実装次第で遅延が13.91msと5.89msに分かれた事例があるため、VRR環境でも複数のキャップ手段を比較し、自分のセットアップで体感差が出る方を選ぶのが実利的です。

出典