「必ずしもスマホを追いかけているわけではない」——Amazonのデバイス・サービス部門を率いるPanos Panay氏が、Financial Timesのインタビューでこう語ったとAndroid Authorityは報じています。2014年に発売され大失敗に終わった初代「Fire Phone」の後継機開発の噂が今年初めに浮上していましたが、Panay氏の発言は明確な否定ではないものの、新型スマートフォンが現時点での最優先事項ではないことを示唆する内容となっています。

Fire Phone 2.0を待つべきか——結論先出し

リーク情報を額面通りに受け取って「Fire Phone 2.0」を待つのは、現時点では妥当ではなさそうです。Panay氏の発言は完全否定ではないものの、「最優先ではない」「目的そのものではない」というトーンが明確だとAndroid Authorityは伝えています。スマートグラスを含む別のフォームファクターへ向かう可能性も示唆されており、仮にAmazonが次のモバイルデバイスを出すとしても、従来型のスマートフォンとは限らない展開もあり得ます。

Panos Panay氏の「黒か白か」発言

Financial Timesのインタビューで、Panay氏はAmazonの衛星事業や自動運転ロボタクシーなど幅広いトピックに触れています。そのなかでスマートフォン参入の可能性を問われた際、Panay氏は次のように答えたとAndroid Authorityは報じています(日本語訳)。

あなたの「黒か白か」の質問はこうですね、スマホをやるのか?と。多くの人にノーと言ってほしがっているのは分かるし、イエスと言ってほしがっている人もいる。私の見解はこうです——必ずしもスマホを追いかけているわけではない、と。

歯切れの悪い回答であり、Android Authorityは、Amazonがスマホ事業を明確に否定したわけではないと指摘しています。Panay氏は、Amazonがハードウェアを直接持たなくてもiPhoneやAndroid端末上で数百万人規模のユーザーに自社アプリを使ってもらえている現状を指摘しています。Echoシリーズで家庭内のコネクテッドエコシステムを押さえている一方、スマホは明確な空白地帯であるとの認識も示されています。

「Fire Phone 2.0」リークとの整合性

今年初めには、Amazonが自社製スマートフォンの再挑戦を検討しているという噂が報じられていました。Android Authorityによると、当時の報道はAmazonが新たなスマホプロジェクトに取り組んでいる可能性を示唆する内容だったとのことです。

ただし今回のPanay氏の発言は、そうしたリーク情報の「予定」「確定」というニュアンスを大きく後退させるものだとAndroid Authorityは報じています。発言の要点を整理すると以下のようになります。

  • スマホ開発を目的そのものとして追求しているわけではない
  • ただし、コネクテッドホームや小売事業の目標達成に明確に貢献するなら検討の余地はある
  • 「もう一台スマホがありますよ」という形で顧客に提示することは二度としない

Panay氏自身が「ノーと言い切れば正確ではあるが、誤解を招く」とも述べており、Android Authorityは、完全否定でも肯定でもない含みのある立場と読める内容だと伝えています。

スマホではなくスマートグラスの可能性も

注目すべきは、Panay氏が「デバイスの形状そのものが変わりつつある」と言及している点です。10年後には現在のようなスマホが主要デバイスでなくなる可能性にも触れており、新たなフォームファクターへの関心をにじませています。

項目発言内容と解釈
スマホ開発「必ずしも追いかけていない」
完全否定していない
最優先度最優先ではない(記事の解釈)
新フォームファクター「重要で注力が必要な新形状が多数ある」

Android Authorityは、Amazonの次の「スマホ」はスマートグラスのような別の形になる可能性があると指摘しています。Echoシリーズで音声、Kindleで電子書籍を押さえてきたAmazonにとって、無理にスマホ市場に再参入するよりも、新たなデバイスカテゴリーで存在感を確立する方が合理的という見方もできそうです。

読者投票では「不要」が多数(少数サンプル)

Android Authorityの記事内で実施された読者投票(17票)では、Amazonの再挑戦に否定的な回答が多数を占めたと報じられています。ただし票数自体が極めて少ないため一般化はできません。過去のFire Phoneの大失敗を覚えているユーザーには、Amazonの再挑戦に懐疑的な見方が根強いことがうかがえる程度の参考データといえます。

Q&A

Q. Amazonは新型Fire Phoneを出すと正式に発表したのですか? いいえ、正式発表は確認されていません。Android Authorityによると、Panos Panay氏のFinancial Timesでのインタビュー発言は、スマホ開発を完全には否定しないものの「最優先ではない」「必ずしもスマホを追いかけているわけではない」という含みのある内容にとどまっています。

Q. 初代Fire Phoneはいつ発売されたのですか? 2014年です。当時スマートフォン業界が急成長していたなかでAmazonが投入しましたが、市場の反応は芳しくなく、Amazonのスマホ事業における大きな失敗例として知られています。

Q. Amazonがスマホ以外で次に狙うデバイスは何ですか? Panay氏はインタビューで「デバイスの形状は今後変わる」と述べ、新たなフォームファクターへの注力を示唆しています。Android Authorityは、スマートグラスのような別形態である可能性に言及しています。ただし具体的な製品計画は現時点で公表されていません。

出典